フォルランの“サクリフィシオ”。ウルグアイ代表でもセレッソでも大事にしてきた姿勢【フットボールと言葉】

異なる言語間では、翻訳困難な語は無数にある。それはフットボール界においてもしかり。外国のフットボーラーが語った内容を、我々はしっかりと理解できているのだろうか。選手、監督の発した言葉を紐解き、その本質を探っていきたい。今回取り上げるのはディエゴ・フォルラン。“サクリフィシオ”(犠牲心)をキーワードに、ウルグアイ人FWがセレッソ大阪に残したかったものは何かに迫りたい。(文:竹澤哲)

2016年06月16日(Thu)10時00分配信

シリーズ:フットボールと言葉
text by 竹澤哲 photo Getty Images
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故郷の友人たちからのメッセージ

2014年から2015年6月にかけてセレッソ大阪でプレーしたディエゴ・フォルラン
2014年から2015年6月にかけてセレッソ大阪でプレーしたディエゴ・フォルラン【写真:Getty Images】

 2014年11月8日早朝、セレッソのクラブハウスでWOWOWのドキュメンタリーのための最後のインタビューが行われた。フォルランを迎えるにあたり、一つの仕掛けを用意していた。

 それはWOWOWの小畑ディレクターがウルグアイで撮って来た、関係者たちのフォルランへのメッセージをスクリーンに映し出して、見てもらおうというものだった。メッセージをしてくれたのは、次のような選手、関係者たちだった。

 イバン・アロンソ(ナシオナル選手、元リーガ・エスパニョーラ選手)、グスタボ・ムヌーア(ナシオナル選手、元リーガ・エスパニョーラ選手)、パオロ・モンテーロ(ペニャロール監督、選手時代はセリエAで長年プレーした)、ダニエル・マルティネス(元ウルグアイ代表フォワード)、ホルヘ・デ・パウラ(医師)。

 メッセージを映し出すと、フォルランはスクリーンを食い入るように見つめた。関係者たちからのメッセージで共通していたのは、「地球の裏側で戦っているフォルランは、ウルグアイの親善大使であり、国民にとって誇りだ。厳しい状況の中でも、さらにがんばって欲しい」といった激励の言葉だった。

 メッセージを全部聞き終わると、フォルランは「どうもありがとう」と言って、とてもうれしそうな顔をした。私が「地球の裏側から話しているようにはとても感じませんね」というと、「本当だね」と言って、再び微笑んでくれた。

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