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PKは有名選手ほど失敗する? 選手ステータスから見る、メジャー大会のPK成功率

text by ベン・リトルトン photo by Getty Images

有名選手ほど失敗しているという調査結果

【図1】選手のカテゴリーとPK成功率
【図1】選手のカテゴリーとPK成功率

 ゲイル・ヨルデット(ノルウェー人の心理学者)にはその疑問に対する答えがある。彼はワールドカップ、欧州選手権とチャンピオンズリーグの試合における37回のPK戦を調べた。PK戦では298人の選手が366本のPKを蹴っている。キッカーとなった選手を彼は3つのカテゴリーに分けた。

 1はプレーに高評価を得て、ベストイレブンに選ばれるなど受賞された選手、2は受賞歴がない選手、3は将来性を買われている選手。1は個人としてパフォーマンスを評価され、FIFA年間最優秀選手賞、バロンドール、南米年間最優秀選手賞、ワールドカップ得点王を受賞したことがあるか、またはUEFAチーム・オブ・ザ・イヤー(年間ベストイレブン)に選ばれた選手である。

 1のカテゴリー(受賞経験者)では41人の選手が67本のPKを蹴っている。2のカテゴリー(非受賞者)は過去に一度もそういう賞と縁がなかった選手であり、3のカテゴリー(将来有望株)は、PKを蹴った時点では受賞はしていないが、将来的には受賞が有望視されている選手である。

 ヨルデットの調査結果は驚くべきものだった(図1)。全体のPK成功率は74%だが、1のカテゴリーでは59%、2では74%で、3が89%である。受賞経験者はゴール枠を外す選手も多く13%を占めるのに対し、将来有望株は7%、非受賞者は5%である。

 ヨルデットは受賞後にPK成績が変化した選手の名前をあげた。イングランド代表のフランク・ランパードは2004年ポルトガルとのPK戦で成功した。2005年にFIFA最優秀選手賞とバロンドールを受賞した彼は、2006年再びポルトガルと相見えたPK戦では失敗している。

 その試合でポルトガル代表選手としてPKを蹴ったクリスティアーノ・ロナウドは成功しているが、2008年にマンチェスター・ユナイテッドの選手としてチャンピオンズリーグ決勝でPKを蹴ることになったときには、バロンドールの最有力候補であり(その後他のさまざまな賞とともに受賞した)、UEFAのチーム・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされていた。チェルシーとのPK戦で3人目のキッカーだった彼は、失敗した。

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