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PKは有名選手ほど失敗する? 選手ステータスから見る、メジャー大会のPK成功率

EURO2016ではクリスティアーノ・ロナウドがPKを失敗し、コパ・アメリカ決勝ではリオネル・メッシもPKを外してしまった。ビッグトーナメントでは数多くの名選手がPKを失敗してきたが、スーパースターほどPKを失敗するということはあるのだろうか? 『PK 最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?』(カンゼン)では、ノルウェーの心理学者であるゲイリー・ヨルデットが、ビッグトーナメントでのデータからこの点について考察している。同書より一部抜粋する。(文:ベン・リトルトン/翻訳:実川元子)

text by ベン・リトルトン photo by Getty Images

1日違いでPKを失敗したロナウドとメッシ

2016年のビッグトーナメントでも、ロナウド(右)とメッシ(左)はPKを失敗した
2016年のビッグトーナメントでも、ロナウド(右)とメッシ(左)はPKを失敗した【写真:Getty Images】

 2012年チャンピオンズリーグ準決勝第2戦は誰もが予想もしていなかったドラマチックな展開となった。

 5月19日火曜日の夜に行われたバイエルン・ミュンヘン対レアル・マドリーはPK戦となり、クリスティアーノ・ロナウドとセルヒオ・ラモスの二人が外してレアル・マドリーが敗退した。翌日カンプ・ノウで行われたバルセロナ対チェルシーは信じられないような展開となったが、最大の驚きは後半にリオネル・メッシがPKを外したことだった。

 メッシが決めていれば、バルセロナは3-1とリードでき、すでにレッドカードでジョン・テリーが退場となっていた10人のチェルシーに勝利して決勝に進めたはずだった。

 24時間の内に、世界最高の選手であり、準決勝を戦った4チームの中でもベストの選手が二人ともPKを失敗した。ライバル関係にあるおかげで、メッシとロナウドはより優れた選手になっているという説に私は賛成する。

 メッシという存在がなければ、クリスティアーノ・ロナウドは現在のような選手になっていないだろうし、同じことがメッシにも言える。だがなぜその二人がよりにもよって1日違いでPKを失敗するのか? 何とも不思議だ。

 私たちはそういうこともありうるとわかっている。誰でもPKを失敗することがある。偉大な選手も重要なPKを失敗する。重要なPKはたいてい偉大な選手が蹴るものだからだ。だがチャンピオンズリーグの準決勝に進んだクラブは、この試合をシーズンで最も重要と位置づけていたはずだし、たった1本のPKによって決勝への道が閉ざされてしまうこともありうると準備していたはずだ。それなのになぜそんな特別な試合で失敗してしまったのか?

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