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メッシ、代表引退の舞台裏。アルゼンチン協会の腐敗ぶり。首脳陣の不在、求められる正常化

text by 藤坂ガルシア千鶴 photo by Getty Images

ままならない食事の手配、チャーター便の遅れ

決勝戦2日前の会見で、不満は蓄積されたものであると語ったメッシ
決勝戦2日前の会見で、不満は蓄積されたものであると語ったメッシ【写真:Getty Images】

 その他にも、細かなトラブルが続いた。開幕前1週間のベースキャンプに利用したカリフォルニア州サンホセの施設で、ジムとプレールームに必要なだけのインフラを整えられなかったこと。ヒューストンのホテルでは部屋の準備ができておらず、選手たちがロビーで長時間待たされたこと。その間、食事の手配もままならず、スタッフがガソリンスタンドに走ってサンドイッチを調達しなければならなかったこと。全て、緻密なコンディション調整が必要なエリート集団にあってはならないことばかりだ。

 そして極めつけとなったのが、移動のチャーター便の遅れである。メッシの怒りのコメントが話題になって間もなく、AFA側は「チャーター便は組織委員会から手配されたもので、遅延は悪天候のため」であるという「言い訳」の声明文を発表したが、選手たちは当初、その前日に移動することを希望していたという。移動のスケジュールについて、組織委員会との事前の交渉を怠ったのは完全にAFA側の過失だ。

 メッシは決勝戦の2日前の会見で、AFAへの不満はこれまでに蓄積されてきたものの結果であることと、決勝戦のあとでそれらの問題についてさらに言及することを約束していた。だが結局、痛すぎる敗戦と突然の代表引退宣言によって、その機会が設けられることはなかった。

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