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リーグアン、明暗分かれた酒井宏樹と川島永嗣。イブラ放出のPSG、新体制はスロースタート

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

3連続フル出場の酒井宏樹。「第3GK」状態の川島

マルセイユに移籍し、開幕から3試合ともフル出場している酒井宏樹
マルセイユに移籍し、開幕から3試合ともフル出場している酒井宏樹【写真:Getty Images】

 そしてマルセイユにこの夏入団した酒井宏樹は、3戦とも先発フル出場でレギュラーの座を確保している。0-0で引き分けた初戦のトゥールーズ戦は、相手の攻撃陣に簡単に裏をとられる場面がたびたびあった。

 そして2-1で敗れた次のギャンガン戦は、酒井のサイドから突破されて先制点を許し、その後もマッチアップした相手に苦戦するシーンが見られた。だが、今季初白星となった3試合目のロリアン戦では、より落ち着いて状況判断ができている印象だった。

「フィジカルは強靭で競り合いでは決して負けていないし、積極的な攻撃参加は期待できる」と地元紙ラ・プロヴァンスの番記者マリオも評価している。これから試合を重ねていくにつれてこのリーグでのゲーム感覚をつかんでゆけば、彼の強みがより発揮されていくことだろう。ディフェンスラインのメンバーががらりと変わり、新加入選手同士がともに取り組む状況も、酒井にとってはかえってやりやすいかもしれない。

 ちなみに、9年間ゴールを守り続けた不動のGKマンダンダからバトンを受けた新守護神は、かつてル・マンで松井大輔のチームメイトだったヨアン・プレだ。当時から抜群の反射神経が高く評価され、GKは激選区のフランス代表で3、4番手あたりにつけていた彼を、松井も「彼が代表でないなら、この国のGKのレベルは恐ろしく高い」といつも絶賛していた。

 その後肺血栓塞栓症を患ってしばらく実戦から離れるなどブランクもあったが、今季からビッグクラブのゴールを守ることになった。彼の活躍ぶりも、酒井の奮闘と合わせて注目したいところだ。

 GKといえば、今夏メスと契約した川島永嗣はいまのところベンチ外。クラブは公式に「第3GKとして契約」と表明しているから、彼にとっては、地道に公式戦出場に向けて励むシーズンになるだろう。

(取材・文:小川由紀子【パリ】)

【了】

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