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代表 8年前

フランス、オランダ下しグループ首位に。ガメイロとグリーズマン、アトレティココンビの躍動

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

不安定も若いチーム。ポテンシャルは大きい

フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督
フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督【写真:Getty Images】

 またサイドバックは、今季PSGでウナイ・エメリ監督のもとレギュラーに定着しつつあるクルザワが左、右ではブルガリア戦の序盤に負傷退場したバカリ・サニャに代わって投入されたモナコのジブリル・シディベが奮闘。俊速で運動量も豊富なシディベは、豪快なオーバーラップなど、特に攻撃面での動きが目立った。ともにエヴラ&サニャのベテランSBの後を引き継ぐ人材だ。

 そして、オランダ戦でのポグバの決勝ゴール。彼に求められている仕事は得点をあげることではないが、EUROでは期待が高すぎたゆえに「空振り感」の強かった彼にとっては、自他ともにレ・ブルーでの存在意義を確認できる貴重な働きだった。

 同じ先発イレブンで臨んだ今回の2連戦では、全体が非常にコンパクトにまとまり、攻守の切り替え時に全員が連動していた点も印象的だった。デシャン監督も、ガメイロが深い位置まで下がってボールを呼び込むプレーを高く評価していたが、トップの2人と両サイドのシソコとパイエも労を惜しまず動き、カバーリングへの意識の高さなどもプレーに表れていた。

 デシャン監督は試合後の会見で「このチームが、EUROのときよりも弱体化しているという理由はない」、つまり、強さを増していると語った。

 実際には「磐石に強い」という印象からはまだ遠く、パフォーマンスも不安定だが、若さとやる気に満ちた現代表には、今後予選を重ねていくごとにどんどん成長していきそうなポテンシャルが感じられた。

(取材・文:小川由紀子【パリ】)

【了】

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