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代表 7年前

フランス、ポグバらの活躍で大一番制す。大エースの相棒は? 欧州予選を戦いつつ新戦力発掘中

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

試合を動かした疑わしい判定

昨年のテロ事件から1年が経ったということで、試合前には犠牲者と家族をしのぶ黙祷が行われた
昨年のテロ事件から1年が経ったということで、試合前には犠牲者と家族をしのぶ黙祷が行われた【写真:Getty Images】

 しかしわずか4分後に、やはり FKからフランスが取り返す(58分)。正確には攻撃の起点がFK。蹴ったのは左斜めのこの位置からのFKを特に得意とするパイエだ。ゴール前に浮かせた球に、ポグバとヴァランがほぼ同時に突っ込み、ポグバが叩いたヘッド弾がクロスバーに当たってゴールラインの内側に落ちた。

「点をとられたすぐ後のタイミングで取り返したのが決め手だった」と試合後にジルーが話したように、失点した後すぐに試合を振り出しに戻したことは、攻め手に乏しかったこの日のフランスにとっての大きな勝因だった。

 さらに65分、右サイドからのシディベのパスにGKとグリーズマンが飛びつき、落ちたボールをパイエが押し込んで追加点。このときグリーズマンはオフサイドだったが、審判は笛を吹かなかったから、フランスには運も味方していた。

 試合後スウェーデンのアンデション監督は「結果としてはドローが妥当。審判の判定は残念だがこれも競技の一部と思うしかない」と苦々しい表情でコメント。デシャン監督もグリーズマンがオフサイドだったことを潔く認め、「審判が笛を吹かずにフランスにとってはラッキーだったが、敵チームの監督ならフラストレーションのたまる結果だったにちがいない」と理解を示した。

 前半戦は、相手のディフェンス策に完全にコントロールされていたこと、そしてオフサイドを見逃されてのラッキーな追加点、ということで、フランスメディアでは「勝ちはしたが内容的には勝利に値しなかった」という声も多い。しかし内容が悪くても勝利という結果をもぎとることは勝負事では大事な要素だ。

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