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Jリーグ 7年前

松本、勝ち点84も昇格逃す。高崎ら中心に攻撃は充実も不運な1年に【2016年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ2も全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを送ったのだろうか。今回は、J1昇格プレーオフ準決勝で敗れた3位の松本山雅FCを振り返る。

シリーズ:2016年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images , Editorial Staff

勝ち点84を稼ぐも昇格逃すも…高崎やシュミットらがフィット

反町
松本の反町康治監督【写真:Getty Images】

 年間勝ち点84を稼ぎながら、自動昇格に手が届かず、昇格プレーオフでもアディショナルタイムでの失点で敗退。最大にして唯一の目標である「1年でのJ1復帰」はならなかった。

 84という勝ち点で昇格できなかったチームはJ2が22チーム、42節制になってから初めてだ。得失点差は30で前回昇格を果たしたときと変わらない。

 ハードワーク、縦に早い攻撃、セットプレーというチームの根幹は変わらずに、J1での戦いの経験を生かしてボールを丁寧に繋ぐサッカーにもチャレンジ。シーズン序盤は波に乗れなかったものの、鹿島アントラーズから期限付き移籍で獲得した高崎寛之が1トップに収まったこともあり、サイドからの攻撃を中心に攻撃の幅が広がった。

 チームの根幹に攻撃のバリエーションも加わり、さらにチーム力を上げていくことが来季への課題になるだろう。期限付き移籍で加入していたGKのシュミット・ダニエルはベガルタ仙台復帰が発表されたが、チームの中心として戦ったボランチのパウリーニョ、1トップの高崎の獲得交渉に全力を尽くしたい。

 パウリーニョは6月に加入しすぐにフィット。ボール奪取とミドルシュートで存在感を見せていた。高崎は攻撃の起点となり、16得点と結果も出した。いずれの選手も今季の松本の昇格争いで欠かせない選手となった。彼らの残留が叶わなかった場合は、早急に穴を埋められる実力者を獲得しなければならない。

 今季の結果で昇格できなかったことは不運とも言える。しかし、J1で安定して戦うためのチーム作りの時間を与えられたと前向きにとらえ、来季こそ自動昇格を達成したい。

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