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Jリーグ 7年前

熊本、震災の影響で超過密日程に。好調途絶えるも地元に勇気与える【2016年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ2も全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを送ったのだろうか。今回は16位でシーズンを終えたロアッソ熊本を振り返る。

シリーズ:2016年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images , Editorial Staff

一時は首位に立つも…震災の影響で好調途絶える

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ロアッソ熊本の巻誠一郎【写真:Getty Images】

 今季の熊本にとって、最大のハイライトは何と言っても「熊本地震」だろう。当たり前だったサッカーが当たり前でなくなった中、ピッチ上で懸命に戦う選手たちの姿が地元の人々を勇気づけた。

 4月に発生した地震は、当然チームマネジメントを難しくした。昨季を13位で終え、目標をJ1昇格プレーオフ進出に設定して臨んだ今季は開幕から5試合負けなしで、一時はクラブ史上初の単独首位に立った。

 しかし第6節以降、地震によって公式戦中断を余儀なくされた期間を挟んで6連敗。夏場に延期となっていた試合を消化せねばならず、1年で最も暑い7月に7試合、8月にも7試合(天皇杯含む)と超過密日程を強いられた。

 結局、シーズンを終わってみれば16位。選手たちはピッチ内外で地元・熊本のために奮闘したが、チーム力を向上させるだけの余裕がなく、得点力不足など多くの課題を残したままになってしまった。

 来季はチームの攻撃を一手に担った清武功暉が退団する。今年度から持ち越された課題解決も含めてリスタートの1年となりそうだ。

 現状で決まっている主な補強は名古屋グランパスに在籍していたブラジル人FWグスタボ、コンサドーレ札幌を退団した上里一将、期限付き移籍先のFC岐阜から復帰する田中達也など、戦力的に大きな上積みはない。攻守にわたってさらなる補強とチーム力向上が求められる。

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