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セリエA 7年前

ミラン、健闘する格下から“力業”で勝ち点3。身につけ始めた勝負強さ

 ミランは現地時間8日、セリエA第19節でカリアリと対戦し、ホームで1-0の勝利を収めた。カリアリの好パフォーマンスに打つ手がないように思われたミランだが、終盤の采配でこじ開けている。上位を争うチームは、こういったゲームで勝負強さを見せなければいけない。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

狙いどおりに進めたカリアリ

ミラン カリアリ
ミランを苦しめたカリアリ【写真:Getty Images】

「こういう破れ方は余計に悔しい。良いサッカーを展開して強いミランを我われはよく抑えていたのだから。ただ守備をするだけでなく、良い形のカウンターにも何度も持って行けた。これまで強豪相手には20分と持たなかったのに、今回はほぼ90分間にわたって勝負ができていた。それだけに、非常に残念だ」

 ミランvsカリアリ戦後の記者会見で、カリアリのマッシモ・ラステッリ監督は悔しがった。実際に彼らはミランを抑え、サン・シーロで勝ち点1以上をもぎ取る寸前まで試合を運んでいたからだ。

 最初の15分間ほど一方的にボールを支配されて攻められるが、強固な組織守備で自陣を固めながら、カウンターを繰り出すという形に持って行った。伝統的に4-3-1-2のシステムをとるクラブだが、この日はミランの分厚いサイド攻撃に対応するために4-1-4-1で対応。一方で中央も2CBと3ボランチがしっかりと中に収縮し、ゴール前のスペースを消した。

 そして、ただ引いて守るだけではなかった。サイドに下がって守備をしていたFW陣は、味方がボールを奪うと深い位置から仕掛け、スピーディーにボールを運んだ。スピードを持ち味とするディエゴ・ファーリアスとマルコ・サウは縦横無尽に動いてマークを撹乱し、彼らが疲れてくればベテランのマルコ・ボリエッロが巧みなポストプレーでボールを縦に引き出す。中盤のフォローも速く、攻めあぐねていたミランに危険な形でのカウンターを浴びせるようになる。

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