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レスター、指揮官ラニエリの謎采配で優勝チームは迷走。岡崎はトップ下起用に光明【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:16/17欧州主要クラブ中間査定 text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images , Editorial Staff

3ボランチで守備を重視した指揮官。岡崎はトップ下で起用

岡崎
岡崎慎司はトップ下での起用で出場機会を確保することができるか【写真:Getty Images】

 これまでは何もかも中途半端だったラニエリ采配だが、残留争いが現実味を帯びてきたこのタイミングで、現実路線ともいえる堅守速攻を思い出したのである。正直、専守ありきのサッカーから可能性は感じず、見ている者を退屈にさせる。その代わり、効果的だ。

 そして選手としても指揮官の意図が大幅に読み取りやすくなった。ミドルズブラ戦後のラニエリ監督と岡崎の双方のコメントがかみ合っていることからも、容易に分かる。

 指揮官が「シンジは敵のMFを押さえる守備の出来る選手で、戦術的な見地から素晴らしい仕事をした。攻守に貢献した」と話すと、トップ下で起用された岡崎は「狙いはハマった。(トップ下は)やりがいはあるし、役割がはっきりしている。割り切って守備も頑張って、攻撃も何度かパスを出したり、シュートチャンスもあった」と振り返った。

 さらにエバートン戦では1月の移籍市場でゲンクから獲得したウィルフレッド・ヌディディが早速デビュー。20歳と若くまだ粗さは目立つものの、中盤の底で敵の攻撃を潰しつつ、ボールを奪うとすぐに前方を見るプレーができるタイプ。カンテとはタイプが違うが、素早くフィットできればチームの浮上に貢献できるだろう。

 この試合後には、岡崎も今後は守備が安定する3ボランチのシステムを起用するのではないかと予想していたが、そうなった場合にはアタッカーを1枚少なくしなくてはならない。負けないサッカーをする一方で、現有戦力の5人のFWの持ち味をうまく生かしながら得点を奪うことが今後の課題となってくる。

 余談だが、ミドルズブラ戦のようなより守備的な4-5-1のトップ下を採用する際には岡崎にも出番は回ってくるはずだ。だが逆に4-3-3のシステムの場合には、バーディーやムサといったスピードタイプのストライカーや、万能型のスリマニが有利になる。すなわち、岡崎やウジョアの2人はプレータイムが限られるとみるのが妥当だが、果たして岡崎はレギュラーに返り咲くことができるのか。

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