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マルセイユで奮闘の酒井宏樹、ついにフル出場の川島永嗣。2人の日本代表が見出した光明

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

年明けの試合でついにフル出場を果たす

 川島はリザーブマッチに出場して試合勘をキープしつつ、10月26日のリーグカップ戦で初めてメンバー入りすると、年明けの1月8日のフランス杯(ラウンド32)の対ランス戦で初めて先発フル出場を果たした。ようやく訪れた公式戦出場のチャンス。結果が2-0と敗戦に終わってしまったのは残念だったが、この久々の実戦は、川島にとってメンタル的にもフィジカル的にも、その先を目指す上で大きな意味があったことだろう。

 彼の移籍を伝えたメスの公式HPが「第3GKとして獲得」と報じていたのは事実だが、そこに大きな意味はない。

 元スウェーデン代表のFWヘンリク・ラーションがセルティックからバルセロナに移籍したとき、彼を獲得した意図について「若いチームだから、日頃の練習からベテランとして引っ張ってほしい」と言われたそうだ。

 経験値を買われての移籍だった。しかし05-06シーズンのCL決勝戦で、後半から出場してアシストで決勝ゴールを演出、ビッグイヤーをチームにもたらしたのは彼だった。

 ラーションがバルセロナに移籍したのも、川島と同じ33歳。今季はまだこれまで本人に直接取材する機会がないのだが、彼のブログにあった一節は印象的だった。

『この一歩に嬉しさは正直ない。
満足感もない。
それでも自分が求めているものはこの一歩の先にしかない』

 10月、初の遠征メンバー入りが決まった後に綴ったものだ。彼自身が選んだ道を、悔いなく邁進してほしいと思う。2月の23節はメス対マルセイユ戦だ。ここでリーグアン日本人対決が実現すれば最高だ。

(取材・文:小川由紀子【パリ】)

【了】

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