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欧州でゼロからのクラブづくり FCバサラマインツの挑戦【04】ドイツのサッカーチームで初の日本人メディカルサポート

シリーズ:FCバサラマインツの挑戦 text by FC Basara Mainz photo by FC Basara Mainz

チームドクターとしての役割

FCバサラマインツ
FCバサラマインツ【写真:FC Basara Mainz】

・選手自身に怪我が起こるメカニズムを理解してもらうこと。
・不必要な怪我や悪化を防ぐこと。
・治せる怪我は適切な処置で治す。

 チームドクターと言っても経験の浅い研修医である事は事実です。正直なところ、出来ない事の方が多いです。その中で出来る事は、医師としての知識と自身がスポーツ選手だった頃の経験を伝えることです。

 自分の怪我は適切な治療と経過処置をすれば治るもので、「あの時ちゃんとした知識を持ったメディカルスタッフがチームにいれば、選手としてもう少し出来たかもしれない」と思い返すことがありますが、ただ怪我に気づいた時は既に手遅れでした。足に力が入らなくなって、パフォーマンスはガタ落ちしました。

 例えば、足を捻挫した時、冷やして固定して安静にしなさいと言われた経験は皆さんあると思います。それをいい加減に行った場合、回復が遅くなるのはもちろん、将来的に関節が不安定になり、力が入らなくなります。そこで選手としての能力はガクッと落ちてしまいます。

 ドイツで怪我した時、病院ではそれらをドイツ語で説明される為、日本人サッカー選手が説明内容を完全に理解するのは不可能です。自分の役割はそこで適切な処置をして、その一つひとつの意味を選手に日本語でわかるように説明すること。最終的には自分でケアできるようになってもらう。今ではバサラの選手、スタッフとも応急処置が出来るようになりました。

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