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古巣の本拠地全てを敵に回したS・ラモス。レアル主将とセビージャ、あまりにも明白な亀裂

text by ロシオ・ゲバラ photo by Getty Images

ラキティッチやアウベスとは違う

 中には、ラモスのジェスチャーを気に留めることなく、変わらず彼を応援し続ける者もいる。「ファンが彼に反発しているって? いいじゃないか。彼にブーイングするつもりは全くないよ。まさにこの地で育った選手であり、スペインが生んだ最高のサッカー選手でもあるからね」。何があろうとも子供たちを守る母親のように、カマスの人々はラモスのことを気遣っている。だが、彼の欠点を覆い隠そうとすることもない。

 レアル・マドリーのキャプテンは、イバン・ラキティッチやダニ・アウベスのような元セビージャの他の選手たちは拍手喝采で迎えられ、名前をコールされることもあったとミックスゾーンで不平を口にしていた。

 だが、彼は様々な理由で違っている。ラモスがセビージャを去ったのは19歳の頃であり、”裏口”からの出奔でもあった。彼は全てを勝ち得てきたが、それは代表チームとレアル・マドリーでのことだ。

 アウベスやラキティッチは、セビージャが栄光を手にする助けとなった後で、涙ながらにバルセロナへと移籍していった。多くの試合を戦い、タイトルをもたらした後で別れを告げた。ラモスは同じではない。

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