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香川真司 7年前

香川に居場所はあるのか。羅針盤なきドルトムント、苦闘の末に見出したポテンシャル

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「チームとして徹底した形がなかなか作れていない」

 62分から途中出場の香川真司は「気持ちの部分がちょっと、今日は負けていたのかなと思います」と振り返った。

「先に失点してしまったことで、チームとしての戦い方がすごく単調に、焦るサッカーにならざるを得なかった。後は、今はチームとして徹底した形がなかなか作れていないっていうのはすごくあると思います」

 今季のドルトムントは、どちらかと言えば“挑戦者体質”だ。レアル・マドリー、バイエルン・ミュンヘン、RBライプツィヒといった格上との対戦では、高いテンションと集中力を発揮して、好ゲームを演出する。言い換えれば、そういった「形」のある強豪に対しては、相手がはっきりとした「形」を持っているがために、こちらも「徹底した形」を決めやすい。

 翻って、相手との力関係で自分たちが主導権を握るべき試合になると、「チームとして徹底した形がなかなか作れていない」ために、苦戦を強いられてしまう。そして香川が「良いも悪いも少し個の状態で試合の流れは決まりつつある」と指摘するように、後半戦の開幕戦ブレーメン戦は個の力で勝利を手繰り寄せたが、このダルムシュタット戦は、そうはいかなかった。

 ドルトムントは、44分に左サイドからエリック・ドゥルム、モル、そしてラファエウ・ゲレイロの連動で1点を返すのがやっとだった。

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