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楠神順平、豪州でリーグ戦全試合に出場中。ACL元王者の主力として奮闘。巻き返し図るリーグ後半戦【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by 植松久隆 photo by Getty Images

フォア・ザ・チームでWSWの攻撃をけん引

 筆者が観戦した1月28日の試合でも現在リーグ3位のブリスベン・ロアと終始対等に戦いながら、終了間際の後半アディショナルタイムに勝ち越し点を与えて惜敗。あともう少しというところで、アウェイでの貴重な勝ち点1を逃してしまった。この日、先発出場した楠神は、前半32分に今季3点目となる鋭いシュートを突き刺し、66分にアルゼンチン人MFニコラス・マルチネスと交代するまで、高いパフォーマンスでWSWの攻撃陣の先頭に立って走り続けた。

 試合後の楠神を直撃した。

 筆者の「ナイスゴール」との呼びかけには笑顔で「ありがとうございます」と答えるも、ギリギリで勝ち越しを許してしまった試合を振り返るときの表情は複雑だった。

「この試合もゼロで抑えたかったのを前半で失点してまった。それでも、前半のうちに追いつけたのはポジティブだったけど、後半のああいう時間(残り10分)でアンラッキーなイエローで退場者が出てしまった(筆者注:DFスコット・ネヴィルが81分に2枚目のイエローカードを提示されて退場)のは苦しかった」

 この日のロア戦では中盤の選手がやや持ち過ぎ、楠神の欲しいところに欲しいタイミングでボールが出て来ず苛立ちを見せるようなシーンも数回あった。

「それでも、(ボールを配給する側のMFキーラン・)バッカスとかは、僕としてはやりやすい選手。彼を信頼して、もう少し自分がきちんと要求できればさらに良くなる。ミッチ(・ニコルス)やニコ(ニコラス・マルチネス)とはすごくやりやすいので、もっと彼らとのコンビネーションから相手を崩していければいい」

 ここ数試合、前述のN・マルチネスとの併用でフルに出られない状況が続いている。それでも「(フルに出られないことは)そんなに関係ない。監督もとても信頼してくれているし、途中から出ようが、途中で交代しようが、全然問題なくやれている。もちろん、先発で出続けるのがベストだけど、与えられた役回りでチームのために貢献したい」と楠神はフォア・ザ・チームを強調する。

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