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楠神順平、豪州でリーグ戦全試合に出場中。ACL元王者の主力として奮闘。巻き返し図るリーグ後半戦【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by 植松久隆 photo by Getty Images

ニコルスとの“連携”はさらに成熟。2人の関係が後半戦・ACLの鍵に

ミッチ・ニコルス
楠神とセレッソ大阪でもチームメイトだったミッチ・ニコルス【写真:Getty Images】

 チームの主力として活躍する楠神を支えるのが、MFミッチ・ニコルスの存在だ。セレッソ大阪でもチームメイトだった2人は、楠神の公式インスタグラムにもニコルスが度々登場するなど、ピッチの外でも非常に息の合ったコンビネーションを見せる。

 その仲の良さはピッチ上のコンビネーションにも確実に表れた。ブリスベン・ロア戦の楠神の得点は、ニコルスのお膳立てによるものだった。ニコルスも「本当によくやっている。ジュンペイとは、コンビネーションもすごく良いからやりやすいね」と手放しで“相棒”を称賛する。

 WSWのチーム状態がなかなか上向いてこない現状はあるが、今後の浮沈は、チームの生命線とも言える「ミッチ=ジュンペイ」ラインが、どれだけ多くのチャンスを創り出し、得点に繋げていくかにかかってくる。

 今季のWSWが低迷している原因は明白だ。最前線のFWの人材不足、これに尽きる。1トップを張ると期待されたのは、Aリーグ有数の“アウトロー”として知られるケレム・ブラット。14/15シーズン途中に加入した際に9試合5得点と大暴れしたトルコ系のFWは、ウェスタンシドニー地域に多いレバノン系など出自の近いエスニックグループ内でカルトヒーロー的人気を集める。

 14/15シーズン終了後は、欧州に活躍の場を求めたが、今季開幕前にWSWに再加入。豪州代表のトミ・ユリッチ退団後、長らく空席のままだったセンターFWのピースを埋めるべく期待されたが、まったく期待に応えられないまま昨年12月に失意の退団となった(編注:その後1月にドイツ3部SVヴェーエンに加入)。

 ブラットが去ってからは、本来はスーパーサブ的な起用が理想のベテランFWブレンダン・サンタラブ、ユース上がりのラクラン・スコットの併用でしのいできたが、どちらも、正直「帯に短し襷に長し」の感は拭えなかった。

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