「すごく悔しい」。途中出場の難しさ、そして香川に訪れたチャンス
香川真司は途中出場。ピッチに“爪痕”を残すべく奮闘した【写真：Getty Images】
時間が限られた途中出場の場合、スピードといった、いわゆる個の力に分類されるような特徴のある選手の方が結果を出しやすい面はある。試合も終盤に入っていく中で、相手が疲れてきていることも踏まえればなおのことだ。
また、試合の行方が決まった状態では、アピールする気持ちが強い者と、そうでない者とで、モチベーションに若干のバラツキはある。そういった意味で、途中からピッチに立つ選手にはゲームが拮抗している時のような連携や連動が難しい。
周囲を活かし、また周囲に活かされる香川のような選手にとって、途中出場というのは力を発揮するのが難しい状況でもある。
だからか、香川に「最大のチャンス」が訪れたのは、後半のアディショナルタイムに入ってのことだった。
ゴンサロ・カストロからのパスを、香川がエリア内に走りこみながら受ける。3人のDFに囲まれながらキープ。少しこぼれたボールを、プリシッチが拾って、ペナルティエリア内の左へパス。ゲレイロは左足で決めきった。
「上手く踏ん張れたけど、なかなか中央で、ググって行けないんで、結果的にゴールになったから良かったけど、うん、シュートまで打ちたかったですけどね。まあ、取られなかったことが何よりで、上手くコントロールはできたと思いますけど」
敵に囲まれつつ、しっかりとしたボールキープから、密集地帯でも相手を交わしてシュート、そしてゴールを奪う。それが香川が抱いたイメージだった。
しかし、現実はそのようにはならず、レバークーゼン戦で香川がゴールを決めきることはできなかった。
よって香川は言う。
「そういう意味ではすごく悔しい」
3戦連続で途中出場が続いている香川。決して簡単ではないが、限られた時間の中で、“爪痕”を残すべく、奮闘している。
（取材・文：本田千尋【ドルトムント】）
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