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柴崎岳、スペインデビューは3/19が濃厚。緻密に練られた復帰プラン、“忍耐”の先に見える復活の光

テネリフェ移籍から約1ヶ月。柴崎岳はまだ一度もスペインで公式戦のピッチに立てていない。それでもクラブは待ち続け、復帰へのプロセスを入念に検討して新加入の日本人MFをアシストしている。そしてついにデビューの日が見えてきた。なぜ「3月19日」なのか、これまでの経緯を振り返りながら検証する。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Wataru Funaki

記念すべき第一歩は「3月19日」が濃厚

柴崎が本拠地エスタディオ・エリオドロ・ロドリゲス・ロペスのピッチに立つ日が近づいている
柴崎が本拠地エスタディオ・エリオドロ・ロドリゲス・ロペスのピッチに立つ日が近づいている【写真:舩木渉】

 柴崎岳のスペインデビューの日が近づいている。先月23日に室内でのトレーニングを再開してから調整は順調に進み、今月1日にはチームの全体練習に合流。公式戦出場の具体的な日程も定まりつつある。

 3月19日。

 これが柴崎にとってスペインでの第一歩となる記念すべき日の最有力候補だ。テネリフェに関係するすべての人々がその日を心待ちにしている。

 そう断言できるのは、クラブ関係者や地元メディアが柴崎についてリップサービス的な発言をせず、嘘もつかないからだ。そもそも日本から取材に来るメディアが少ないこともあるが、出だしでつまづいた日本人MFの扱いに相当な神経を使っているように感じる。

 慣れない環境で肉体的にも精神的にも消耗した柴崎は、体調を崩して一度チームから遠ざかった。それからテネリフェはクラブをあげて全面的に復帰をサポートすると表明し、その通りあらゆる手を尽くして日本からやってきた期待の新戦力を助けてきた。

 もちろん周囲のプレッシャーから守ることもその一環だ。クラブの広報は柴崎がデビュー戦の試合後まで一切の取材に応じないことを明言し、常に幹部クラスの人間を付き添わせてメディアから遠ざけてきた。

 それでもメディアやファンが求める最低限の情報はしっかりと提供してくれる。例えば柴崎のトレーニングスケジュールについて、24日の時点では室内で調整していたが、25日と26日も同じように個別トレーニングを行うことと週明けに全体練習へ合流する見込みであることを、わざわざ広報部門の責任者が直接筆者に伝えに来てくれた。

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