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日本代表 7年前

UAE戦、今野のゴールは奇跡にあらず。2年ぶり代表復帰の34歳MFが見せた進化【カメラマンの視点】

ロシアワールドカップ・アジア最終予選のUAE戦で久々の代表戦ながら躍動し、インサイドハーフの位置から得点まで奪ってみせた今野泰幸。同試合で負傷し、日本代表チームからは離脱することになったが、34歳MFが見せている進化は特筆すべきものがある。(写真・文:松岡健三郎)

シリーズ:カメラマンの視点 text by 松岡健三郎 photo by Kenzaburo Matsuoka

今季のJリーグでトップクラスのパフォーマンスを披露している今野

 アウェイでのUAE戦は過去未勝利というデータ上の話で、前日からメディア内では心配の声が上がっていた。もちろん本田圭佑や香川真司の試合勘や、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が絶大の信頼を置く長谷部誠がケガでの離脱したことも大きな不安要素の一つだった。

 多くの不安を抱えながら迎えた試合当日。メンバー表を見ると背番号17がスタメンに名を連ねた。34歳のベテランユーティリティープレーヤー今野泰幸だ。

 今回のメンバーの中で大きなサプライズ招集とも言える。昨年9月のUAE戦で敗戦後、チームに経験値が足りないと見るやいなや、クラブで出場機会のなかったベテランの川島永嗣を入れて、ハリルホジッチ監督は精神的立て直しを図った。UAEには絶対に連敗は許されない今回も、新たにベテランの今野を招集した。

 招集後に長谷部が離脱したため、ケガの情報が先か、今野の招集が先かはわからないがハリルホジッチ監督の起用がピタリと的中した。

 大事な局面となったUAE戦で「経験ある選手をそろえた」とメンバー発表時にハリルホジッチ監督は語っていた。その経験をフルに発揮し、MVP級の活躍を今野は見せた。

 その裏には今季のガンバ大阪でのインサイドハーフ起用があるように感じた。守備の男が、今季は攻撃に時間を割いている。ACLとリーグを並行して戦うG大阪はここまで8試合を戦い、今野はそのすべてにスタメン出場し、3得点と結果も残している。

 経験値という意味では、タイミングが違えば昨季リーグMVPの中村憲剛だったかもしれないが、ベテランだからではなく、ここまでの試合でリーグトップクラスのパフォーマンスを見せているからこそ今野が呼ばれたに違いない。

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