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日本代表 7年前

【識者の眼】浮き彫りになった“ボランチ問題”…酒井高徳起用のリスク。新たな候補は誰に?

text by 河治良幸 photo by Shinya Tanaka, Getty Images

経験重視なら細貝も有力候補に

細貝萌
ドイツ2部のシュトゥットガルトから柏レイソルに移籍した細貝萌【写真:Getty Images】

 言い換えればボランチの選手にとっては大きなチャンスでもある。直前のけがで出番の無かった高萩洋次郎はもちろん、これまで招集されながら定着していない大島僚太や永木亮太、今回は右足首の負傷の影響で選考の対象外だったと見られる井手口陽介、ヘーレンフェーンで主にボランチとしてプレーする小林祐希などもあらためて候補になりそうだ。

 ハリルホジッチ監督が求めるボランチ像として、ボールを奪う能力や“デュエル”の部分は1つ基準になるが、基本的にボールをさばくところや攻守のバランス感覚は状況に応じて求められてくる。

 さらに経験という部分を重視するならば、ドイツ2部シュトゥットガルトから柏レイソルに移籍した細貝萌もあらためて有力候補になるかもしれない。もともとハリルホジッチ監督も追跡している選手であり、昨年の段階では「私が呼んだ中盤と比べてパフォーマンスが上とは思わない」と説明していたが、W杯予選の予備登録メンバーにも含まれている。

 スタッフが常にチェックしやすいJリーグで良いパフォーマンスを見せられれば、一気に新ボランチ候補へ浮上してくる可能性は高い。ボールを高い位置で奪い、そこから攻撃を加速させる能力が高い上に、状況に応じたバランスワークのセンスもある。

 常に厳しい環境で揉まれてきた選手でもあり、代表経験も豊富であることから、このタイミングで招集されてもしっかり仕事をやってのける素地はある。もちろん柏に素早く順応し、主力として確かな存在感を示すことが条件になる。

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