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18歳で仏A代表デビュー、ムバッペの快進撃。“ポスト・アンリ”ら台頭でベンゼマ復帰遠のくか

自国開催のEURO2016で準優勝という結果を残し、充実の戦力がそろっているフランス代表。グリーズマンがチームの中心となり、新たに何人もの若手選手が台頭している。そのなかで最も注目を集めているのが、モナコのFWキリアン・ムバッペ。レアル・マドリーが熱い視線を注いでいるといわれる18歳が、この3月、フランスA代表にデビューした。(取材・文:小川由紀子)

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

期待の超新星FWキリアン・ムバッペのA代表デビュー

18歳でフランス代表デビューを果たしたキリアン・ムバッペ
18歳でフランス代表デビューを果たしたキリアン・ムバッペ【写真:Getty Images】

 3月の国際マッチデーでフランスは、W杯欧州予選のルクセンブルク戦(現地時間25日)とスペインとの親善試合(同28日)を行った。取りこぼしの許されないルクセンブルク戦は敵陣での戦い。

 ジルーをポストに据えた4-2-3-1の布陣を採用したフランスは、グリーズマンをユーティリティ役に、モナコの両SB、シディベとメンディによる積極的なサイド攻撃を織り交ぜたプレーを展開した。

 今季チェルシーでもキープレイヤーの一人として活躍するカンテが落ち着いたボールさばきで巧みに攻守切り替えを担い、28分にはグリーズマンのパスを右サイドで受けたシディベからのクロスをジルーが決めてフランスが先制。

 その後PKを与えてルクセンブルクが同点に追いついたが、わずか4分後にフランスはPKを取り返し、グリーズマンがこれを決めて再びリードを奪うと、後半の77分にも、今度は左SBメンディの長いクロスにジルーが頭で合わせて追加点をあげ、3-1で勝利を手にした。

 これでグループA首位の座をキープしたフランス。デシャン監督も「ひとまずミッションは遂行できた」と安堵の表情を見せた。

 しかし今回のフランス代表で最大の注目ポイントだったのは、メディアから『ポスト・アンリ』の異名を頂戴する話題の新星、キリアン・ムバッペのA代表デビューだ。

 今季モナコでこれまで公式戦19得点を挙げている彼を、デシャン監督は今回初招集。ルクセンブルク戦の78分、パイエに代わってピッチに立った18歳3ヶ月のムバッペは、18歳2ヶ月でデビューした(1955年)マリアン・ウィスニウスキに次いでフランスサッカー史上2番目に若いA代表選手となった。

 ちなみに、このウィスニウスキ選手は主にランスで活躍したウィンガーだ。この選手のことは恥ずかしながらこれまで存じ上げていなかったのだが、なんだかこの苗字に見覚えがあると思ったら、今季、フランスのラグビーリーグTOP14のRCトゥーロンに所属している五郎丸選手がつい先日出場した試合の、相手チームのイケメンFHが、このマリアン氏の親戚だった。

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