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セリエA 7年前

インザーギとガットゥーゾは今も現場で戦う。下積み修行中の“レジェンド監督”、泥臭さも健在

フィリッポ・インザーギとジェンナーロ・ガットゥーゾ。かつてミランなどで活躍し、数々のタイトルを獲得してきた2人の名選手は、現在イタリアの下部リーグで監督を務めている。ミランで本田圭佑を指導したインザーギはヴェネツィアを3部リーグ優勝とセリエB昇格に導いた一方で、ピサを率いるガットゥーゾはセリエBで残留争いを強いられている。2人の“レジェンド監督”の現在の奮闘ぶりを追う。(文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

インザーギ監督率いるヴェネツィア、3部リーグ優勝しセリエB昇格

インザーギ
第3部のピサをセリエB昇格に導いたフィリッポ・インザーギ監督【写真:Getty Images】

 15日、イタリア第3部レーガ・プロ第35節で、グループBのヴェネツィアはホームでファーノに1-1のドローを収めた。そして2位パルマとの勝ち点差を12とし、3節を残してグループBの優勝並びに来シーズンのセリエB昇格を勝ち取った。

 かつてセリエAにいた時代は名波浩(現J1磐田監督)も所属していたクラブは、AはおろかBにも定着できず、一時期は第5部にまで転落していたが12年ぶりにセリエB復帰を果たした。

 その成功をもたらした監督は、元ミランのレジェンドで、監督としても14/15シーズンにミランを率いていたフィリッポ・インザーギだ。

 インザーギは15年6月にミランを解任されたが、契約自体は2016年まで残していたため一年の休養を置いた。そして指導者としての復帰の場にヴェネツィアを選んだ。「上のカテゴリーのクラブや、中国のクラブからも大型のオファーが提示された。でも、ヴェネツィアのプロジェクトが魅力的だと思った」と、彼は就任会見で語っていた。

 現在のヴェネツィアは、2015年からアメリカ人オーナーが経営している。ジョー・タコピーナ会長はセリエA参戦と新スタジアム建設という野心的な目標を掲げており、就任1年でセリエDからレーガ・プロへの昇格を勝ち取った。そしてさらなる成長を見据える上で、インザーギに着目する。

「輝かしい経歴と、勝者のメンタリティーを持っている。それを注入してもらうことは、今の我々に必要なことだと考えた」と、第3部昇格の立役者であるジャンカルロ・ファバリン監督を解任してまでインザーギを招聘した。

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