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香川真司 7年前

香川、怒涛の勢いでドルトの柱に。類い稀な”バランス感覚”で掴んだ信頼…過密日程でも先発へ

ボルシア・ドルトムントは、今月末から非常に重要な2連戦に挑む。残されたタイトル獲得と、来季のCL出場権獲得に向け、香川真司はチームの柱になった。ここにきて一気に指揮官の信頼を取り戻せた要因はどこにあるのだろうか。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「大きな目標」への重要な2試合近づく。今必要な「成功体験」

香川真司
香川真司は後半戦になってトゥヘル監督からの信頼を取り戻した【写真:Getty Images】

 まだ終わってはいない。2017年4月22日のブンデスリーガ第30節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでボルシア・メンヘングラッドバッハと戦う。

 19日、南仏のモナコで今季のチャンピオンズリーグは終戦した。1-3。ASモナコにクオリティの差を見せつけられた。しかし、下を向いている暇はない。欧州の舞台から退くことになってなお、ヌリ・シャヒンは「まだ大きな目標がある」という言葉を残した。

 香川真司と時を同じくして復活したトルコ代表MFが言うように、ドルトムントはまだビッグゲームを残している。1つは26日のDFBポカール(国内カップ戦)準決勝バイエルン・ミュンヘン戦であり、もう1つは5月6日に控える現在ブンデスリーガ3位のホッフェンハイムとの直接対決だ。

 22日のボルシアMG戦は、2つの意味で重要になるだろう。目前のバイエルン戦を意識すれば、どのようにコンディションを維持するのか。来月のホッフェンハイム戦を念頭に置けば、これ以上勝ち点で離されないために、勝ち切ることができるのか。

 幸いにも、メンヘングラッドバッハはドルトムントと同じノルトライン=ヴェストファーレン州に属しており、移動の負担は少ない。しかし、今季唯一タイトルの希望が残されているDFBポカールの試合にできる限り力を注ぎたいというのが、トーマス・トゥヘル監督の本音なのではないだろうか。

 21日のボルシアMG戦に向けた記者会見でトゥヘル監督は、遠回しにローテーションを示唆した。

「もちろん成功体験は大きな一押しとなるだろう。課題はバランスを回復させることだ。中間の道を見つけて見分けなければならない。誰がこの試合に完全に関わり合うことができるのか。誰が援助を必要とするのか」

 トゥヘルの言葉を“翻訳”してみる。ボルシアMG戦では、選手たちのコンディションを見極めつつ、CL敗退で崩れた攻守におけるチームバランスを取り戻す。そして勝利という「成功体験」を求めていく。そんなところだろうか。

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