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本田圭佑 7年前

本田、なぜ突然使われた? 短時間でも上々のプレー、疲弊するミランの助けになる可能性も

ミランは現地時間23日、セリエA第33節でエンポリとホームで対戦。ミランは戦術的に攻略を図る格下エンポリに押し込まれ、1-2の黒星を喫した。日本代表FW本田圭佑は昨年12月以来となるリーグ戦出場を果たし、短い時間ながら懸命なプレーを見せた。今季限りで契約満了による退団が濃厚な本田だが、シーズン終盤で疲労するチームの助けになることはできるのだろうか?(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミラン、残留懸かる格下エンポリに完敗。振り回された守備陣

本田圭佑
2017年リーグ戦初出場となったミランの本田圭佑【写真:Getty Images】

 セリエAにおいて、残留のかかった格下チームはとても強力な敵になる。たとえ強豪相手であろうと勝ち点を持ち帰ることを目標に技術、体力、気力の全てをつぎ込んでくる。23日にミランと対戦した現在17位のエンポリも、まさにそうだった。

 18位のクロトーネが、最近3試合で2勝1分を挙げて肉薄している。この状況にあってエンポリはミランからも勝ち点をもぎ取るため、戦術を突き詰めて攻略を図ってきた。

 まずは守備。ミランがボールを支配するのは折り込み済みとして、サイドはやられてもいいから中央のスペースは絶対に開けない戦略を取った。左ではジェラール・デウロフェウの突破で、また右はスソとダビデ・カラブリアの連携で崩されるが、中央ではDFラインと3ボランチがコンパクトに収縮。クロスを放たれても中では誰一人としてフリーにさせなかった。

 そして攻撃では、ポゼッション時に3バック状となる相手の最終ラインを、帰陣が整う前にショートカウンターで攻略する。その時に効いたのは、それぞれにスピードがありコンビネーションも抜群な前線の3人だ。最終ラインにアンカーのホセ・ソサにプレスを掛け、相手の中盤を寸断したのちにボールを拾ったエンポリの攻撃陣は、次々と速攻を浴びせた。

 マメ・ババ・ティアムがパワーでマーカーを体ごと押し下げる。走力と技術を併せ持つレヴァン・ムチェドリーゼは、縦のランニングと突破でスペースを突く。そこに「モロッコのジダン」と称されたオマル・エル・カドゥーリが左右に流れつつ正確なパスを送り込み、ミランの守備陣を振り回した。

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