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本田圭佑 7年前

本田、なぜ突然使われた? 短時間でも上々のプレー、疲弊するミランの助けになる可能性も

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

本田、2017年リーグ戦初出場。指揮官は評価するも…

スソ
疲労の影響で途中交代となったスソ【写真:Getty Images】

 さてスソが下がってからは、3人目の交代選手として本田圭佑が久々に起用された。リードを守る場面ではないからルカ・アントネッリやアンドレア・ポーリなどではなく、この日はベンチスタートだったカルロス・バッカやルーカス・オカンポスも先に投入されていたので、残る攻撃的な選手として投入されのだろう。

 たとえ短い時間であっても走ってボールを競り合い、チャンスに絡もうとすることが必要なのだが、そういう意味でアディショナルタイムのプレーは良いものだった。

 ボールホルダーを追い回してカウンターを阻止し、マリオ・パザリッチとともに追い込んでボールを奪う。そして右サイドからエリア手前でゴールを向いたのち、フリーでエリア内に走ってきたパザリッチにパスを出した。

 エリアの中央にはバッカが詰めて、マークを外す動きをしていた。ファーでフリーになっていたオカンポスに出したり、あるいは自分でシュートを打ったりする選択肢もあったようには思えたが、フリーで走ってきたパザリッチにバッカへ折り返させるというイメージを描いたのかもしれない。結局そのチャンスはパザリッチが折り返す前にDFに追いつかれて潰れたが、プレーの選択自体は悪くないように見えた。

 これまで構想から外れていた様子から考えると、次があるかは分からない。実際のところ、リードを奪われ、かつモンテッラ監督が信頼を置くスソがバテるという条件が重なってようやく巡ってきたチャンスだ。ただ選手全体のコンディションが低下する中、もし指揮官がこのプレーを好意的に評価していれば、使われる場面もあるのではないだろうか。

 我々日本人記者のいる会見場で言及はなかったが、『ミランチャンネル』の独占インタビューでは本田の評価を口にした、ということもきいた。果たしてどうなるか。契約満了での退団が濃厚視されるが、シーズン終盤で疲労の溜まるチームを助けることはできるのか。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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