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本田圭佑 7年前

本田、なぜ突然使われた? 短時間でも上々のプレー、疲弊するミランの助けになる可能性も

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

気力と体力で凌駕されたミラン。頼みのスソは疲弊でキレ失う

エンポリ
エンポリはミラン相手にアウェイで白星を挙げた【写真:Getty Images】

 傍目には主導権を握っているように見えるミランだが、一旦ボールが相手に渡れば右往左往。エンポリの先制点はCKからだったが、それを獲得できたのは一連のショートカウンターからだ。その先制点を奪ったムチェドリーゼは負傷で不運にも交代を余儀なくされるが、代わりに出てきたベテランのマッシモ・マッカローネは、エル・カドゥーリのクロスをヘッドで正確に落としてティアムの追加点を演出した。

 後半には足をつって倒れる選手も多く出た。「普段我々の選手にはないこと。それほどまでタフな試合だった」とエンポリのジョバンニ・マルトゥシェッロ監督は試合後の記者会見で語っていたが、それだけ死力を尽くしてハードワークを実行していたことは分かる。エンポリの中盤はミランに対し、走り負けてはいなかった。

 逆に言えば、この日のミランにはそれを凌駕する気力と体力が足りなかったということもできる。実際運動量は見るからに足りず、攻守にも選手たちが動けていない。エンポリのタフなプレスに寸断され、布陣は普段よりも間延びしてしまっていた。

 そして攻撃にも、最後の一押しが効かない。それが顕著だったのがスソだ。前節のミラノダービーでは試合の大半を長友佑都に抑えられていた彼は、この日も序盤にシュートを立て続けに放った後はキレを失った。スペースを潰してくる相手の組織守備の前に苦しみ、終盤には交代の憂き目にもあった。

 この数試合は先発の布陣も入れ替えている。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督がコンディショニングに腐心している様子がうかがえるが、やはり決して層が厚いとは言えないメンバーでシーズンを戦い抜いた反動からなのだろうか。

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