本当だった霜田氏招聘案。タイ代表新監督をめぐる混乱と日本人指導者擁立の理由

4月26日、タイサッカー協会はタイ代表の新しい監督として、セルビア人のミロヴァン・ライェヴァツ氏の就任を発表した。途中、幾人もの日本人候補者の名前も挙がった中、タイはガーナ代表監督として南アフリカワールドカップでベスト8に進出するなど、経験豊富な指揮官に代表を託した。前監督の突然の辞任劇の裏で何が起き、新監督選出に至るまでどんな経緯をたどったのか追った。(文:長沢正博【バンコク】)

2017年05月06日(Sat)10時00分配信

text by 長沢正博 photo Getty Images
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岡田元日本代表監督らも候補に!? 霜田氏はタイで協会幹部と面談

霜田正浩
タイ代表監督の候補に挙がっていたとみられる霜田正浩氏【写真:Getty Images】

 3月31日に起きたキャティサック・セーナームアン前監督の突然の辞任発表から約1ヶ月。タイ代表の新監督はガーナやカタールで代表監督も務めた経験を持つ63歳のライェヴァツ氏に決まった。特にガーナでは南アフリカW杯でチームを準々決勝に導き、ウルグアイにPK戦の末に敗れている。延長後半終了間際にウルグアイのFWルイス・スアレスが、退場覚悟のハンドで決定的なシュートを拒んだ試合として覚えている人もいるかもしれない。

 ライェヴァツ氏選出に至るまでに、日本代表コーチの手倉森誠氏や元日本代表監督の岡田武史氏といった日本人の名前もメディアには挙がった。これは、タイサッカー協会で技術部門の責任者を務めるヴィタヤ・ラオハクル氏が当初新監督に関して「タイ人でないとしたら、日本人にすべき」等とメディアに発言したことから、日本人指導者にもスポットが当たったと見られる。

 その他、元バルセロナ監督のフランク・ライカールト氏や元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏、ジーコやドゥンガ氏といったビッグネームまで、計20人以上がリストにあるとタイでは報じられた。

 ただ、中には代理人がプロフィールを送って来ただけのケースもあり、実質的な選考はタイで協会幹部と本人の面談が行われた元タイ代表監督のヴィンフリート・シェーファー氏、元マンチェスターユナイテッドコーチのレネ・メウレンステーン氏、元サウジアラビア代表監督のマルコス・パケタ氏、元イラク代表監督のジョルバン・ビエイラ氏、元中国代表監督のアラン・ペラン氏、前ムアントン・ユナイテッド監督のドラガン・タライッチ氏、ライェヴァツ氏、そして日本サッカー協会前技術委員長の霜田正浩氏らの間で進められたと見るべきだろう。ただ、それも4月24日の時点で “アジア人以外の3人”という表現で絞られ、霜田氏も脱落していた。

 タイ代表は現在、ロシアW杯アジア最終予選で1分け6敗の勝ち点1。予選敗退も決定し、キャティサック前監督は成績不振の責任を取った形の辞任とも取れるが、そもそも前監督と協会は2月28日に契約を1年延長したばかりだった。それがなぜ、わずか1ヶ月後に辞任することになったのか。

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