ユーベ、熟練の戦術的対応力。モナコの変則的攻撃にも円滑対応。無情なほどの安定感

現地時間9日、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグが行われ、モナコをホームに迎えたユベントスが2-1で勝利を収めた。2点のアドバンテージをもってこの試合に臨んだイタリア王者は、今大会数多くの番狂わせを引き起こしてきたモナコの“奇策”に対し鮮やかに対応。その戦術的レベルの高さを示したゲームとなった。(取材・文:神尾光臣【トリノ】)

2017年05月10日(Wed)11時32分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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ユーベの右とモナコの左。同一サイドに集約された攻防

CL決勝進出を果たしたユベントス
CL決勝進出を果たしたユベントス【写真:Getty Images】

 1stレグにおいて、モナコはユベントスの緻密な組織守備によって戦術的に抑えられていた。それがもっとも象徴的に現れていたのがモナコから見て左、ユーベから見て右サイドの攻防だった。ユーベはアンドレア・バルザーリを充当してサイドに蓋をし、モナコの強力な左サイドアタックを潰した。

「ユーベは我われのストロングポイントを全てブロックした。明日結果を出したいと思うなら何かを変えなければならない。さもなくば1stレグの繰り返しになる」

 ユベントスvsモナコ戦2ndレグの前日記者会見で、モナコのレオナルド・ジャルディム監督はこのように語っていた。

 彼らが逆転を狙うには、まずユーベの組織守備を壊すことを考えなければならなかった。マッシミリアーノ・アッレグリ監督は熟慮の末に1stレグのフォーメーションの踏襲を決断した一方、それを読んだジャルディム監督は、守備で固めたユーベの右サイドを真っ向から潰すための戦術をとった。ユーベの右とモナコの左。リードを守るか逆転をもぎ取るか、2ndレグの攻防はここに集約されていた。

 モナコは、大胆な変則フォーメーションを取った。まず、1stレグでは左で封じられていたトマ・ルマールをスタメンから外す。そして2トップの一角であるキリアン・ムバッペを思いっきり左に開かせて、カバーリングは上手いが身体的なスピードに優れているとは言えないバルザーリの裏を狙わせたのである。パスセンスに長けたベルナルド・シウバもトップ下気味に中央に絞らせて、ピャニッチにプレッシャーを掛けつつ、モウチーニョとともにサイドへパスを出させた。

 さらにジャルディム監督は、ウォームアップでナビル・ディラルが故障したことに伴い、代わりに故障上がりでベンチ入りした超攻撃サイドバックのベンジャミン・メンディーを左SBに起用する決断を下した。裏を突かれる不安はあるが、彼らはそれに賭けた。マンチェスター・シティやボルシア・ドルトムント相手に番狂わせを起こしてきたのも、そういった大胆な戦略あってのことだった。

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