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香川真司 7年前

香川、主役譲るも増す円熟味。有言実行でつかんだ出番とタイトル

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川は“宣言”していた

香川真司
優勝を喜ぶ香川真司【写真:Getty Images】

 リーグ戦で最後の大一番だったホッフェンハイム戦で、ベンチスタートとなった香川は、その試合後に“宣言”していた。

「ポカールの決勝は最後あるので、そういうビッグゲームで、今シーズンをいい形で終えられるように、頑張って、準備して、アピールしていきたいなと思います」

 そう語ったとおり、香川は「ビッグゲーム」で先発し、90分間フル出場し、チームの勝利に貢献した。確かにゴールやアシストといった目に見える結果はなかったかもしれない。しかしチームの弱味に応じた柔軟なポジションチェンジや、攻守における的確な判断、そして落ち着いたパス交換と、どこかベテランらしくタイトルの獲得に貢献した。今季最後の大舞台で、改めて選手としての価値をピッチの上に示した。

 それは、かつてマンチェスターに渡る前に見せていたような、若くイケイケだった頃とは違う姿かもしれない。しかし黒と黄色のファンたちにとっては、かつてのように“シンジ”であることに変わりはない。ドルトムントの勝利のために、香川は大切な選手であり続けている。

 そして“有言実行”で先発を飾り、改めてクオリティを示すあたり、この黄金色のポカールの獲得で、香川は円熟の域に入っていくのかもしれない。

(取材・文:本田千尋)

【了】

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