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柴崎岳、現実味帯びてきた1部昇格。大一番で決定的な活躍、もはや完全なキープレーヤーに

21日、スペイン・リーガエスパニョーラ1部昇格を争うプレーオフ決勝が開催され、柴崎岳が所属するテネリフェはヘタフェとの試合に臨んだ。ホーム&アウェイ形式で決着をつけるこの舞台。テネリフェホームの初戦では準決勝にひきつづき日本人MFが躍動した。(文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

準決勝につづき、決定的な活躍を披露

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プレーオフ決勝第1戦で決勝ゴールをアシストした柴崎岳【写真:Getty Images】

 今季最後のホームゲームはとにかく厳しい条件が揃っていた。

 柴崎岳が所属するテネリフェは現地時間21日、スペイン2部の1部昇格プレーオフ決勝1stレグに臨んだ。対戦相手はレギュラーシーズンを3位で終えたヘタフェである。

 120分間の激闘だったプレーオフ準決勝2ndレグから中2日、移動こそなかったものの、前の試合から中3日のヘタフェに対し休養に充てられる時間は少なかった。相手に長距離移動があるとはいえ、120分間プレーした3日後に迎える大一番の過酷さは想像に難くない。

 昨季まで1部を戦い、1年での昇格を目指すヘタフェには、当然1部での経験豊富な選手が揃っている。ベティス時代に1部で2年連続20得点を記録したこともある絶対エースのFWホルヘ・モリーナを筆頭に、スタメンのほとんどが国内でも名の通った選手たちだった。

 元バレンシアのGKビセンテ・グアイタをはじめ、元アルゼンチン代表DFカタ・ディアス、5季連続30試合以上出場のダミアン・スアレス、7季連続30試合以上出場のフランシスコ・モリネロ、昨季の厳しさを知るファン・カラで形成する守備陣は2部でも屈指の陣容だ。

 そんな相手に対し、テネリフェは3日前のプレーオフ準決勝2ndレグからスタメンを1人も入れ替えず真っ向勝負を挑んだ。満員のホームスタジアムの声援を受け、序盤から攻勢に出る。

 そして左サイドMFとして先発出場した柴崎岳は、またしてもチームを勝利に導く決定的な活躍を披露した。

 22分に獲得したコーナーキックの場面。柴崎が蹴ったボールは大きな弧を描いてペナルティエリア内へ。最後は前線まで上がっていたDFホルヘ・サエンスがプロ初ゴールとなる豪快なヘディングシュートをゴールネットに突き刺した。

 完璧なゴールにスタジアムが爆発する。前の試合でゴールを決めた際、ガッツポーズのみで感情を表に出さなかった柴崎でさえも、弾けるような笑顔でチームメイトたちと抱き合った。結局はこの1点が決勝点となり、テネリフェはホームでの重要な1stレグでヘタフェにアウェイゴールを与えず勝利をつかみ取った。

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