“2軍”で優勝のドイツ。ハードワークで躍進のチリ。日本が学ぶべき強化方針の一貫性【西部の目】

7月2日、FIFAコンフェデレーションズカップ・ロシア2018の決勝戦が行われ、W杯王者ドイツが南米王者チリを相手に1-0で勝利した。走れない選手は誰もおらず、文字通り「ハードワーク」する選手たちによって争われたファイナルとなったが、それは現代サッカーのトレンドを体現したものとも言えそうだ。一貫した強化方針のもとにチーム力を高め、このレベルに到達してきた両国には、日本も学ぶべきところがある。(文:西部謙司)

2017年07月04日(Tue)10時19分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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テクニックとハードワークのファイナル

チリ代表のMFアルトゥーロ・ビダル
チリ代表のMFアルトゥーロ・ビダル【写真:Getty Images】

「テクニックのある選手を走れるようにするか、走れる選手にテクニックをつけるか。前者のほうが簡単そうだが、走らない選手は本当に走らないのだよ」(イビチャ・オシム)

 コンフェデレーションズカップ決勝で走れない選手は誰もいなかった。チリのサンチェスやビダルはチーム最高クラスのテクニシャンだが、どちらも無類のハードワーカーである。テクニックのある選手がハードワークしまくるのは、いわば現代サッカーのトレンドであり、チリはその代表的なチームといえる。

 前線からハイプレスをかけ、かわされても二度追い三度追いができる。逆に相手のプレスを巧みなパスワークやドリブルで外す。テクニックとハードワークを高い次元で両立させてきたからコパアメリカ連覇があった。

 一方、若手主体のドイツは当然走れる。ただ、チリに比べるとテクニックの怪しい選手が何人かいて序盤にプレッシャーをかけられるとミスを連発していた。カウンターの形になれば個で突破できるヴェルナー、ドラクスラーがいて、後方からの押し上げも速いのでチャンスにはなる。しかし、チリのハードワークに対してテクニックの優位性はなく、チリ有利で試合は進んでいた。

 ドイツの先制点、そして決勝点となったゴールは単純にチリのミスである。

 自陣ペナルティーエリアのすぐ外でボールを持ったディアスがターンして1人を外したところでボールを足下から離しすぎてしまいヴェルナーに奪われた。ヴェルナーはサポートについたスティンドルに渡してシュートは無人のゴールへ。とくに何もしないままドイツに虎の子の1点が転がりこんできた。

 テクニックに優位性のあるチリはそれゆえに墓穴を掘ってしまった。ディアスのタッチが大きくなってしまったのは疲労の表れだろう。

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