【戸田和幸の眼】アーセナル、失意の1年。問われるヴェンゲルの真価【16/17シーズン総括】

2017年07月21日(Fri)10時00分配信

シリーズ:16/17欧州主要クラブシーズン査定
text by 戸田和幸 photo Getty Images, Natsuki Nakazawa
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驚きだったヴェンゲル続投。新シーズンは再出発の1年

2017_arsenal
アーセナルの16/17シーズン基本フォーメーション

 シーズン中盤以降の成績や、ファンの反応から考えてもヴェンゲル監督の続投には正直驚きました。最後にFA杯を獲れたことで勇退という道を選ぶのかと思いましたが、クラブとしてはスポーツ的な部分だけではなく今後も続くクラブ経営なども含め考えたうえでの判断をしたのだと思います。

 これだけメガクラブの予算規模が大きくなってしまうと、アーセナルのような健全経営を掲げるクラブがCLで勝つのは非常に難しくなったといえますし、プレミアリーグで優勝することも同様だと考えます。やはり本当にタイトルを獲りたいのであれば単純にもっとお金を使わないといけませんから。

 しかしクラブには理念があります、CL出場圏内からこぼれてしまったことは誤算かもしれませんが、そこを狙える順位をキープしつつ黒字経営を続けていくことを考えると、若い選手にチャンスを与え成長させることができるヴェンゲル監督は理想の監督なのかなと思います。

 昨季に関してはFA杯を獲得し面目を保つことができましたが、残念ながらヨーロッパのカップ戦にはつながらないタイトルでした。そういう意味ではアーセナルはCLという収入源とステータスの両方を兼ね揃えた大きなものをなくしてしまいました。

 CLに出られないことがサンチェスをはじめとする既存の選手の去就にどれくらい影響を及ぼすのか、また新戦力獲得という部分でも難しさは出てくるかもしれないので、ひょっとすると新シーズンは大きくスケールダウンしてしまう可能性はあります。

 CL出場権という経営・クラブのステータスという意味で大きな意味を持つものを失くしてしまったアーセナルは、それをもう一度取り戻すための、もしくはそこに向かう準備をするための1年にできるのか。はたまたそのまま中位へとこぼれていくかもしれない難しいシーズンになる可能性もあります。

 仮に選手の質とボリュームがダウンするとして、ヴェンゲル監督がどんなチームを作ってくるのか、もしくは既にリヨンから(アレクサンダル・)ラカゼットの加入が発表されましたが、戦力的に維持・増加が見込めたとしてCL出場権とプレミアリーグ優勝に向けて何か新しいものを用意し見せてくれるのかという、非常に興味深いシーズンとなることもまた間違いありません。

(解説:戸田和幸/構成:フットボールチャンネル編集部)

【了】

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