段階を踏みながら調子を上げる香川
代表ウィーク中に香川は、日本代表に合流したが、31日のオーストラリア戦ではベンチ入りしたものの、出場しなかった。左肩が完治していないと判断され、チームを離脱。サウジアラビアには向かわずにドイツへ戻ってきている。その後、大きくコディションを崩したところはないようだ。
しかし、先のヘルタ戦の後で香川が話すには、「30分出たら次は60分」といったように、背番号23の起用について、ボス監督としては「ステップを踏みたい」のだという。
「段階があるっていうのは言われていますし、いきなりスタメンっていうよりは、監督としては、どんどん段階を踏んでからっていう、プランがあるみたいなので、それは尊重しながら」
新任のオランダ人指揮官は、選手を戦術上の駒と割り切らず、個人として尊重するところがある。バルサに移籍する前、デンベレが練習に姿を現さず行方をくらました際には、フランス人ウインガーを咎めずに身を案じた。またフライブルク戦に向けた会見では、競争の中で「選手の誰もがプレーしたいのは分かっている」とも述べている。
こうした選手を大事にしようとするボス監督の傾向を踏まえれば、フライブルク戦でも香川はベンチスタートではないだろうか。「いきなりスタメン」ではなく、試合展開など様子を見ながら、途中出場となるのだろう。
温厚な指揮官に出番が与えられれば、新戦力を獲得して体制が整いつつあるチームの中へ、「どんどん」融合していきたいところだ。
(取材・文:本田千尋)
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