的確補強で準備万端
体制が整いつつある。8月29日、ボルシア・ドルトムントはアンドリー・ヤルモレンコの獲得を発表。“騒動”の末にFCバルセロナへ移籍したウスマヌ・デンベレの代わりに、ディナモ・キエフのFWを手中に収めた。東欧の名門で9年に渡ってプレーした27歳のウクライナ代表は、チャンピオンズリーグでも24試合出場4ゴール5アシストの数字を残している。
また、手薄だった左SBのポジションでは、ジェレミー・トリアンを獲得。ホッフェンハイムからやって来た新参者は、年代別のドイツ代表に選出されてきた。昨年のリオ五輪では銀メダルの獲得に、今夏のU-21欧州選手権では優勝に貢献している。
国際舞台で実績のある両選手の獲得は、これから始まる21日で7試合の過密日程を乗り切るために、理に適った補強と言えるだろう。代表ウィークも明け、9月9日のブンデスリーガ第3節フライブルク戦を皮切りに、ドルトムントは21日で7試合をこなさなければならない。チャンピオンズリーグ(CL)では難敵トッテナム、昨季王者レアル・マドリードが待ち受けている。
8月26日に行われたヘルタ・ベルリン戦の試合後、2-0で快勝したにもかかわらず、香川真司は気を引き締めた。
「CLも、グループリーグを見たらわかるけど、本当にタフなゲームがあるので、試される時だと思うし。もし負けた時の反応であったり、それは監督含めて、チームとして試されるところは十分あると思うので、それは一つ一つ乗り越えていかないといけないので、これからですね、本当に」
ペーター・ボス新体制は、リーグ戦で2連勝の好スタートを切った。両試合とも90分を通して集中を切らさず、攻守の切り替えを徹底し、内容も伴っている。しかし、シーズンは始まったばかり。見方を変えれば、まだ2勝したに過ぎない。順調に船出の時を迎えたものの、「これから」先の長い航海の中、荒波を「一つ一つ乗り越えていかないといけない」のだ。
そのために、まずフライブルクとのアウェイゲームをきっちりものにする必要があるだろう。7日の会見でボス監督は「良い選手たちとしっかりとしたシステムを持ち、またカウンターの場面では危険な可能性を秘めている」と警戒した。それでも相手がまだ白星を掴めず15位に位置していることを考えれば、やはり勝って然るべき試合だろう。タフなスケジュールを前に、ここでつまずくわけにはいかないのだ。