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アトレティコ、補強禁止で辛い夏に。エース残留も…新陳代謝なく山積みの課題は先送り【欧州主要クラブ補強診断】

シリーズ:17/18欧州主要クラブ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

補強・総合力診断

アトレティコ
アトレティコ・マドリーの2017/18シーズン予想布陣

IN
GK アクセル・ウェルネル(ボカ・ジュニオルス/期限付き移籍期間満了)
DF ギリェルメ・シケイラ(バレンシア/期限付き移籍期間満了)
FW ルシアーノ・ビエット(セビージャ/期限付き移籍期間満了)

OUT
DF テオ・エルナンデス(アラベス/期限付き移籍期間満了→レアル・マドリー)
DF ハビエル・マンキージョ(サンダーランド/期限付き移籍期間満了→ニューカッスル)
MF チアゴ・メンデス(現役引退)
MF マティアス・クラネビッテル(セビージャ/期限付き移籍期間満了→ゼニト)
FW アレッシオ・チェルチ(エラス・ヴェローナ)
FW サントス・ボレ(ビジャレアル/期限付き移籍期間満了→リーベル・プレート)
FW アマト・エヌディアイエ(テネリフェ/期限付き移籍期間満了→ヘタフェ)

補強評価:C

 今夏、選手の獲得はできなかったものの、近年のアトレティコを支えてきたシメオネ監督とグリーズマンの残留は好材料。これで今季もまた堅固な守備をベースに戦うことが可能となり、イチからチームを作り直す必要はなくなった。

 それでも、戦力の入れ替えによって昨年の課題を修正できないことは痛手になっている。グリーズマン頼みの攻撃陣には、セビージャからアトレティコ復帰を果たしたビエットが加わるも、得点力不足に苦しむ前線の選手に刺激を与えるにはやや力不足か。

 サイド攻撃が一つの鍵になるアトレティコにとって、左右どちらでも高いレベルでこなせるビトロの加入は大きな補強となった。攻撃パターンの少なさや、ビルドアップの拙さを解決するきっかけになるかもしれない。とはいえFIFAによる補強禁止処分が解ける来年1月まで待たなければならない状況は、アトレティコにとって好ましくない。

総合評価:A

 ほとんどの選手がクラブ事情を考慮して残留したこともあり、基本的には欧州の第一線でも戦えるようなメンバーがそろっている。サウール・ニゲスやコケら下部組織出身で忠誠心の強い選手たちを中心とした団結力の強さは欧州でも群を抜いており、それが今のアトレティコの最大の魅力となっている。

 長い間怪我により戦線を離脱していたアウグスト・フェルナンデスの復帰、開幕からグリーズマンの代わりとして好調ぶりを見せるアンヘル・コレアの台頭は、その団結力に更なる勢いを与えていくかもしれない。チームとして戦う上でのベースは出来上がっているだけに、あとは個人レベルでどこまで高いパフォーマンスを発揮できるかどうかが、タイトル獲得に向けて重要になってくるだろう。

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【了】

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