フットボールチャンネル

バルサ、ネイマール退団で狂った歯車。新体制は順調な船出でも…フロントの迷走に非難轟々【欧州主要クラブ補強診断】

シリーズ:17/18欧州主要クラブ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

補強・総合力診断

バルセロナ
バルセロナの2017/18シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)

IN
DF ネウソン・セメド(ベンフィカ)
DF トーマス・ヴェルメーレン(ローマ/期限付き移籍期間満了)
MF パウリーニョ(広州恒大)
FW ジェラール・デウロフェウ(エバートン←ミラン/期限付き移籍期間満了)
FW ウスマヌ・デンベレ(ボルシア・ドルトムント)

OUT
GK ジョルディ・マシップ(バジャドリー)
DF ジェレミー・マテュー(スポルティングCP)
DF マルロン(ニース/期限付き移籍)
DF ドウグラス(スポルティング・ヒホン/期限付き移籍期間満了→ベンフィカ/期限付き移籍)
MF セルジ・サンペール(グラナダ/期限付き移籍期間満了→ラス・パルマス/期限付き移籍)
FW ネイマール(パリ・サンジェルマン)
FW クリスティアン・テージョ(フィオレンティーナ/期限付き移籍期間満了→ベティス)
FW ムニル・エル・ハッダディ(バレンシア/期限付き移籍期間満了→アラベス/期限付き移籍)

補強評価:E

 ネイマールの抜けた穴を埋めるだけの十分な戦力を補強できているか疑問が残る。デウロフェウやデンベレもポテンシャルを秘めてはいるが、現時点で個の力はネイマールに及ばない。

 構成力の低下が指摘されていた中盤に関しては、近年のバルサに欠けているテクニカルな選手を獲るのではなく、強靭なフィジカルを武器に攻守にわたってダイナミックなプレーを得意とするパウリーニョが加入する不可解な事態に。

 N・セメドの加入により、昨季後半戦で右サイドバックを務めたセルジ・ロベルトが中盤でプレーできるようになったことはプラス要素。本来のポジションでアンドレス・イニエスタやイバン・ラキティッチの存在を脅かせるか、下部組織出身の期待の星にとって勝負の1年となる。

総合評価:C

 どのポジションにもワールドクラスの選手が揃っている。しかし、3年間攻撃の爆発力を支えていたMSNのうちの1人が欠けてしまったことを考えると、相対的にかなりの戦力ダウンと言わざるをえない。

 そこで気になるのが、バルベルデ新監督の手腕。プレシーズンに行われたマドリーとのスペインスーパーカップでは合計スコア5-1で敗北したが、その後国内リーグでは開幕戦から3連勝。ボールを奪われた後の即時奪回プレスなど、原点回帰に取り掛かっている印象も受ける。対戦相手によって戦術的なアプローチを細かく変えるマネジメント力も、これまで高く評価されてきた通りだ。

 批判はあったが、大金をはたいて獲得したパウリーニョとデンベレには大きな期待がかかる。特に後者は、ネイマールの後釜として迎え入れられていることもあり、相当なプレッシャーがかかることは間違いない。MSNありきだったチームは崩壊してしまったが、新戦力をバルサのスタイルに適応させつつ、まずはマドリーとの大きな差を埋めるところからバルベルデ新体制の真価が問われる。

☆「欧州主要クラブ補強診断」特集ページはこちら☆

【了】

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top