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【U17】最年少15歳のGK鈴木彩艶、目標は「世界一」。西川周作と中村航輔を手本にW杯へ

text by 編集部 photo by Getty Images

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U-17日本代表のGk鈴木彩艶はチーム最年少の15歳【写真:舩木渉】

 インドでのU-17W杯に出場するU-17日本代表は5日、初戦の開催地グワハティで練習を行った。

 GKの鈴木彩艶(すずき・ざいおん=浦和レッズジュニアユース)は、今回のチームで唯一の中学生、15歳での飛び級招集となった。父がガーナ人で、アメリカ生まれ埼玉育ち。小学生の頃から「自然とやっていた」GKというポジションでU-17W杯に出場する。

 本来であればU-15日本代表のため、今回は2つ飛び級という異例の抜てきを受けた鈴木。「自分は年下なんですけど、引いていたら練習とかでもやっていけないと思っていたので、自分からコミュニケーションとったりして、周りもいい雰囲気を作ってくれて、今はもう溶け込めています」と、すでにチームの輪に馴染んでいる。取材中には“先輩”の久保建英からいじられる一幕もあった。

 周りの選手とは違い、普段プレーしているのがジュニアユースということもあって「遠征ごとにスピードがダンっと変わる中で、最初は本当に目もついていけないような感じだった」というが、「日々やっていく中で慣れていっている部分はある」と成長を実感している。

 とはいえ「まだまだ自分にはパワーが足りないので、際どいコースのシュートとかは取れていない」と課題も語る。鈴木は「谷(晃生=ガンバ大阪ユース)選手や梅田(透吾=清水エスパルスユース)選手とは一つひとつの技術的なものもそうですし、パワーとかスピードとかが違う」と、先輩たちから多くを学んでいるようだ。

 一方で「そこはこれからつけていければなと思っているんですけど、自分の武器である取った後のカウンターとかでは負けたくはない」と、意地も見せる。

 憧れのGKは浦和レッズの西川周作と、柏レイソルの中村航輔だという。前者の「フィードの場面で、相手からプレッシャーがかかっていてもマイボールにしたり、自分のキックから得点につながるところ」から影響を受け、後者からは「最後の壁というところで、本当に気持ちが見えている」と、それぞれ違う良さを吸収し、成長の糧にしようとしている。

 今大会は谷が正GKを務め、鈴木はベンチから有事に備えることが濃厚。それでも世界の舞台での経験は、今後のキャリアにおいてかけがえのないものになるはずだ。

「正GK、第2GK、第3GK、それぞれ役割はあると思うので、その与えられた役割を自分は全力でやるだけだと思っています。本当に近い目標で言ったら、谷選手を超えること。本当に大きな目標ではA代表で欠かせない選手になるとともに、世界一になるのが自分の目標です」

 U-17代表の谷、梅田、そしてA代表の西川、中村という先輩たちから技術を盗み、ゴール前の最後の壁になるだけでなくビルドアップにも貢献できるハイブリッドなスタイルで、鈴木彩艶は世界一のGKを目指す。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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