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香川真司 7年前

香川真司が見たわずかな隙。発展途上ドルト、初黒星で受けたレッスン

text by 本田千尋 photo by Getty Images

発展途上チームには良い経験に

香川真司
完敗を成長の糧にできるか【写真:Getty Images】

 しかし、ドルトムントがこの“間隙”を突いて反撃に転じることはなかった。後半から3バックに変更したBVBだったが、早々の47分、ショートカウンターから飛び出したオギュスタンをソクラティスが倒してしまう。ギリシャ代表CBはレッドカードで退場となった。PKは獲得したオギュスタン自身にきっちり決められ、スコアは1-3。このアクシデントで、ボス監督はFWマキシミリアン・フィリップを下げてCBマルク・バルトラを投入する。あり得たかもしれない背番号23の起用は、この時点で無くなった。

「こういうプレッシャーが連動した激しい相手とやることは、自分のレベル(アップ)にも繋がるので、今日はほんとに外から見ていてもレベルの高い相手だったので、まあそういう中でやりたかったというのはありましたけど、次に切り替えてやります」

 その後、56分にイルザンカーが2枚目のイエローカードを貰って退場となり、敵も10人となったことで、BVBは少し勢い付いた。しかし、64分にオーバメヤンがPKで1点を返すのが精一杯。80分を過ぎてもハードワークを惜しまないライプツィヒを、それ以上は崩せなかった。ドルトムントは2-3で敗戦。今季、初黒星だ。

 持ち前のスタイルを出せず、完敗だったが、得られたものもある。

 香川が感じたこと。

「チームとしての形がライプツィヒは去年もはっきりできていたので。選手間の距離感であったり、戦い方っていうのをすごく統一されてるなと、今年見て、すごくいいチームだなっていうのをすごく感じましたし。去年あれだけの力を発揮しているってことはやはり偶然ではないですし、それだけのサッカーをしてるなって、今日生で見て感じたので。こういう激しい戦いの中でどう勝ち切るかっていう意味では、すごく勉強になった」

 まだまだ発展途上のドルトムントにとって、RBライプツィヒの[4-4-2]と向き合ったことは、得難い経験となったはずだ。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

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