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「お金よりもBBQとビール」。元イタリア代表の問題児、衝撃の引退理由明かす

text by 編集部 photo by Getty Images

パブロ・オスバルド
イタリア代表にも選ばれていたパブロ・オスバルドだが…【写真:Getty Images】

 2016年夏、30歳の若さで現役を引退したアルゼンチン生まれの元イタリア代表FWパブロ・オスバルドが、久々にメディアに登場した。

 問題児として知られ、数々のクラブを渡り歩いた流浪のストライカーは、伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』に現役引退を決断した理由を明かしている。

 オスバルドはスパイクを脱いだ後、現在はミュージシャンとして活動している。「バリオ・ビエホ」というバンドのボーカリストとしての生活を楽しんでいるようだ。しかし、もうフットボールへの愛情は尽きてしまったようである。

「僕の元に、中国から大金を積んだオファーが来た。だが、それは僕の世界では全くない。ずっと嫌ってきた『ビジネス』だ。ボカ・ジュニオルスを離れると決めたら、とんでもなくたくさん陰口を叩かれた。僕は人を恐れて出て行けなかった。全く我慢ならなかった。

中国からオファーをもらったが、それには全く関心はなかった。それまで常に愛していたものを嫌うようになってしまった。お金よりも、僕はアサード(アルゼンチンや南米で楽しまれるバーベキューのこと)とビールが好きだ」

 オスバルドは出身地アルゼンチンのウラカンでプロデビューし、ヨーロッパに渡ってからはレッチェ、フィオレンティーナ、ボローニャ、エスパニョール、ローマ、サウサンプトン、ユベントス、インテル、ポルトと毎年のように所属クラブを変えてプレーしていた。

 ユベントスやインテルのようなビッグクラブで活躍する実力を備えながら、素行に問題があると言われ続けていたが、お金よりもフットボールを愛していたのは間違いないようだ。そして一度現役を退いた後、半年してヨーロッパから復帰を要請されたこともあったという。中国のような大金を用意してのオファーではなかったが、結局それも断ってしまった。

「2016年12月、セビージャのサンパオリ監督が僕に連絡してきて、『ダニ、私はピッチ外のことで君に何も聞かない。だが、とにかく私はストライカーを必要としている』とね。でも、僕にはロックフェスティバルがあったし、それをすっぽかすわけにはいかなかった」

 同じくアルゼンチン出身のホルヘ・サンパオリ監督が、トップレベルから半年遠ざかっている元ストライカーに声をかけていたという。オスバルド自身、同胞の指揮官を高く評価しているようだが、一度フットボールを辞めると決めた男の意思は固くスペイン行きは実現しなかった。

 ミュージシャンとしての道を選んだオスバルドは、これからも愛する「アサードとビール」とともに生きていくようだ。

【了】

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