フットボールチャンネル

セビージャ、3点差から劇的ドロー。指揮官の衝撃告白が選手たちに火をつける

text by 編集部 photo by Getty Images

エドゥアルド・ベリッソ
劇的同点弾を選手たちと喜びあうセビージャのエドゥアルド・ベリッソ監督だが…【写真:Getty Images】

 現地時間21日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第5節。セビージャはリバプールに前半だけで3点差をつけられながら、後半アディショナルタイムに追いついて3-3の劇的ドローに持ち込んだ。

 前半は全くいいところを見せられなかったセビージャが息を吹き返したのには理由があると、英紙『ミラー』などが報じた。

 ハーフタイムのロッカールーム。そこでセビージャのエドゥアルド・ベリッソ監督は、自らが前立腺ガンを患っていることを告白したという。指揮官の勇気がチームに火をつけ、復活のきっかけとなったようだ。

 後半アディショナルタイムに同点ゴールを奪ったギド・ピサーロは真っ先にベンチのベリッソ監督のもとへ駆け寄っていった。これもハーフタイムに衝撃の告白を聞いたことが理由になっているだろう。

 まだクラブから公式に発表されていないが、『ミラー』紙は複数のジャーナリストたちによって、ベリッソ監督が現地時間22日に記者会見を行う予定であることを確認していると伝えた。なお、ガンは幸いにも初期段階で発見できたため、治療によって完治が見込まれているとのこと。

 アルゼンチン出身のベリッソ監督は選手時代、ニューウェルス・オールドボーイズやリーベル・プレートでのプレーを経て欧州に上陸。マルセイユにも所属し、2001年からスペインに活躍の場を移してセルタやカディスでプレーして2006年に現役を引退した。

 指導者としてはチリ代表のアシスタントコーチなどを経験した後、2014年から古巣セルタを率いて欧州カップ戦出場権獲得や、国内カップ戦での躍進などクラブの歴史に残る一時代を築いた。

 そして今年5月にセビージャの監督就任が発表され、7月にはセレッソ大阪と鹿島アントラーズとの親善試合のために来日を果たしている。今季のリーグ戦はバルセロナ、バレンシア、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリーといった強豪たちに次ぐ5位につけており、CLでもグループEで2位に入り決勝トーナメント進出が視野に入っている。

 ベリッソ監督が今後もチームの指揮を執るのか、あるいは治療に専念するため現場を離れるのかは現時点で未定となっており、22日の記者会見で詳細な病状や将来について語られると見られる。

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top