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4点差消えた驚愕のダービー。“勝敗”分けたシャルケの早期英断とドルトの誤対応

現地時間25日に行われた「レヴィア・ダービー」は、ドルトムントが最高のスタートを切った。だが、33分のシャルケの2枚替えから流れは変化。のみ込まれまいと抗うドルトムントは、慣れないことに手を出し、さらに追い詰められていった。(取材・文:本田千尋)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトが25分で4-0。動くシャルケベンチ

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このあとの展開を誰が予想しただろうか…【写真:Getty Images】

 潮目が変わったのは、“33分”のことだ。FCシャルケ04のドミニク・テデスコ監督は、一挙に2枚のカードを切る。ブンデスリーガ第13節、狂乱のレヴィア・ダービー。25分までに、ボルシア・ドルトムントは4点のリードを奪っていた。

 ピーター・ボス監督は通例の[4-3-3]ではなく、[3-4-3]の布陣を採用。特徴的だったのはユリアン・バイグルとヌリ・シャヒンのダブルボランチだったが、肝はマリオ・ゲッツェとアンドリー・ヤルモレンコの左右両ウイングだった。

 テデスコ監督は[3-5-2]の布陣を採用。中盤はマックス・マイヤーのワンボランチ、バスティアン・オチプカとダニエル・カリジュリの左右両ウイングバック、そしてウェストン・マッケニーとイェウヘン・コノプリャンカの2シャドーである。

 端的に言ってしまえば、“33分”までは、ゲッツェとヤルモレンコがマイヤーの両脇のスペースを有効に活用することで、BVBはゲームの主導権を握り続けることができた。

 ドルトムントの背番号10と9は、シャルケの背番号7の脇に下がることで、後方からのパスを引き出し、ゲームを組み立てる。2シャドー的な役割を果たした。10分にはシャヒンから縦パスを受けたゲッツェを、マイヤーがたまらず食らいついてファウル。“ダービー仕様”のドルトムントは、シャルケを後手に回して、試合のペースを握って行った。

 そしてゴールラッシュが始まった。12分、ワントップのピエール=エメリク・オーバメヤンが下がって、マイヤーの後ろのスペースでパスを受け、右に大きく展開。クリスティアン・プリシッチの折り返しを、ゴール前でシャヒンが触ってコースを変え、ファーでオーバメヤンが押し込んで先制。

 18分にFKからスタンブリのオウンゴールで2点目を手に入れると、20分にはカウンターからオーバメヤンが右サイドを突破。クロスをファーでゲッツェがヘディングで押し込んで3点目。さらに25分、バイタルエリアでオーバメヤンがゲッツェとワンツー。シュートはスタンブリにブロックされたが、こぼれ球をラファエル・ゲレイロがダイレクトボレーで叩き込んで4点目。ジグナル・イドゥナ・パルクは狂喜の渦に巻き込まれた。

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