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本田圭佑 6年前

本田圭佑、パチューカで過ごした充実の半年間。3度目のW杯出場へ…何が求められるのか?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

結果で築き上げた信頼。半年間で不動の存在に

本田圭佑
本田圭佑は結果を残すことでチームメイトの信頼を確かなものにしていった【写真:Getty Images】

 しかし、メキシコからロシアへの道のりは確かにつながっている。リーグ戦の12試合であげた3ゴールはどれも見事で、3得点をあげたコパMXでも準々決勝ティファナ戦の60mドリブルからのループシュートはメキシコ国内はもちろん欧州の大手メディアにも絶賛された。

 そうした“ゴラッソ”が、本田がパチューカで地位を築く助けになったことは間違いない。本質的に独力でゴールをこじ開けるタイプではないが、外国人選手が目に見える結果で認めさせるというのは非常に重要なことで、本田も強く意識していただろう。

 ただ、本田のベースは周囲とのコンビネーションにある。中盤あるいは右サイドでパスを引き出し、相手のプレッシャーをいなしながら周囲の選手に前を向かせる。そこから機を見て自分もゴール前に顔を出してシュートを狙うのが本田の基本スタイルだ。リーグ戦で8得点をあげたビクトル・グスマンやウルグアイ代表のホナタン・ウレタビスカヤなど、仲間の持ち味を引き出すプレーが特にスタメンに定着してからは効いていた。

 ポジションは“偽9番”的なセンターFWからミラン時代や日本代表と同じ右サイドでの起用が続き、本田が当初から希望していた[4-3-3]のインサイドハーフはクラブW杯の2試合などに限られた。もともとパチューカの中盤はメキシコ代表クラスのホルヘ・エルナンデス、エリック・グティエレス、ビクトル・グスマンと優秀な駒が揃っている。

 前線やサイドの選手にはゴールに絡む仕事が求められるが、高い位置でラストパスの1プレー、あるいは2プレー前で起点になれる本田が入ることで、2列目のグスマンがFWを追い越す動きでゴール前に顔を出しやすくなる。右サイドで出場していても、そうしたプレーを周りの選手と共有することにより、本田は実質的に中盤の選手と同じ役割をこなすことができているのだ。CKやFKのキッカーを任されていることも背番号02のチーム内での位置づけと信頼を示している。

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