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本田圭佑 6年前

本田圭佑、パチューカで過ごした充実の半年間。3度目のW杯出場へ…何が求められるのか?

text by 河治良幸 photo by Getty Images

“格上”ばかりのW杯で必要な本田の経験値

 メキシコは秋春制だが1シーズンが前期(アペルトゥーラ)と後期(クラウスーラ)に分かれており、それぞれチャンピオンを決めるレギュレーションだ。来年1月7日から開幕する後期リーグではあらためてタイトル獲得を目指す形となる。パチューカの場合はクラブW杯、さらにコパMX決勝があり、オフ期間は2週間ほどしかない。言い換えれば試合勘をそれほど失わずにリスタートできるメリットはある。

 おそらく後期リーグでも本田の基本ポジションは[4-3-3]の右サイドで、試合の流れや主力選手のコンディションによってセンターFWやインサイドハーフで起用されるケースもあるだろう。[4-2-3-1]ならトップ下のポジションに入る可能性もあり、パチューカのスタイルであれば本田の特徴は生かしやすい。ポイントはそれが日本代表の選考にどう影響するかということだ。

 今月行われたEAFF E-1サッカー選手権でも見られた通り、日本代表経験の浅い選手たちでイレブンを組むと能力的な部分以上にゲームコントロールがかなり厳しくなる。レベルの高い相手ばかりが揃うW杯ではなおさらだろう。

 過去2度のW杯を経験し、国際舞台で何度も修羅場をくぐってきている本田がコンディションさえ良好であれば、メンバーに選ばれない理由はない。ただ、戦術的にどうチームに当てはめていくかはそう簡単ではないだろう。ハリルジャパンは縦に早い攻撃が主体とされるが、特に本大会は“格上”ばかりとなる。

 基本的にはボールを奪ったら素早く相手の裏を狙う戦い方になることが想定される中で、本田はサイドより中盤の方が機能しやすそうではある。だが、クラブとの起用法の違いや中盤でのボール奪取力との兼ね合いで、ハリルホジッチ監督がどういうバランスやメカニズムを考えて布陣を決めるか未知数だ。ただ“格上”と言っても初戦の相手であるコロンビアは意図的に引く時間帯もある。セネガルは局面のデュエルで苦戦が予想されるが、コンパクトな戦い方ができれば攻撃の主導権を握れる余地もある。

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