名古屋のジョー獲得でブラジルに広がる波紋。自国のW杯戦士が流出、断れなかったオファー

2018年01月04日(Thu)10時50分配信

text by チアゴ・ボンテンポ photo Getty Images
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ジョーがJリーグにもたらすもの。セレソン復帰の噂は…?

ジョー
ジョーにはW杯を前に代表復帰の噂もあったが…。2013年のコンフェデ杯では日本からゴールも奪った【写真:Getty Images】

 昨年から交わされたDAZNとの契約により、日本のクラブはこれまでの約7倍となる放映権料を手に入れている。各大会の賞金額も大幅に引き上げられた。各クラブにとっては、今まで以上に優れた外国人選手たちを連れてくるチャンスが生まれる状況であり、リーグのレベル向上にもつながる。

 近年では、国際的に広く名を知られた選手が日本へ渡るケースは多くはなかった。セレッソ大阪でプレーしたディエゴ・フォルランやカカウ、清水エスパルスでプレーしたフレドリク・ユングベリ(彼のことは忘れている者も多いかもしれない)といった選手たちはいずれも期待に応えられなかった。現在ヴィッセル神戸でプレーするルーカス・ポドルスキもそれほど強烈な活躍は見せられていない。

 これらの選手たちは、キャリアの最高の時期を過ぎてから日本へと渡った。ジョーが違っているのは、彼が今まさにピークにあるという点だ。3月には31歳となるが、昨年ブラジル国内で最高のパフォーマンスを見せた選手であったことに疑問の余地はない。ブラジル代表でもう一度チャンスを与えるべきだとチッチ監督に要求する評論家もいる。サポーターの間では、ジョーが日本へ移籍することで、ガブリエウ・ジェズスのバックアップを探しているセレソンの一員としてロシアW杯に参加するチャンスが失われるのではないかという声もある。

 188cmの長身を誇るジョーは、ゴールに背を向けてのプレーを好むような典型的センターフォワードだと考える者もいるかもしれない。だがそれは間違っている。もちろん空中戦にも強いが、足元でのボール扱いにも非常に優れた選手だ。コリンチャンスの練習ではスピードテストで1位の数字を叩き出していたことも注目に値する。

 トヨタは日本を代表する企業の一つとして世界的に知られている。トヨタ車はブラジル国内でも走っており、トヨタというのがどういった企業なのか、ブラジル人でも誰もが知っている。資金は有り余っている企業だが、これまでサッカーチームへの投資にさほど熱心ではない様子だった。

 名古屋グランパスは、国内屈指のクラブとしてタイトルを争っていくために必要となる条件を全て兼ね備えている。Jリーグには、リーグを盛り上げて他クラブにも投資を促すような大物外国人が必要とされている。ジョーは「ワールドクラス」には程遠いかもしれないが、2017年のような集中力と前向きな姿勢を維持することができれば、間違いなく日本で成功を収められるはずだ。

(取材・文:チアゴ・ボンテンポ【ブラジル】)

【了】

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