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サッカーのルールはどう決まる? 審判を非難する前に、深めておきたい競技規則への理解

シリーズ:コラム text by 中山佑輔 photo by Editorial Staff, Getty Images

規則改正の提案はJFAも可能

 このIFABより遅れて1904年に誕生したFIFA(国際サッカー連盟)は、このIFABによる競技規則を採用したが、IFABのメンバーに加わったのは1913年のこと。英国4協会(現在はアイルランドではなく北アイルランドが入っている)がそれぞれ投票権を1票ずつ持っているなかで、FIFAが持っている投票権も1票であった。

 日本サッカー協会(JFA)審判委員会の小川佳実審判委員長はIFAB、FIFA、各国サッカー協会、競技規則の関係について次のように説明してくれた。

「国際サッカー評議会は1886年に英国4協会でできました。これがスタートラインでFIFAは1913年にIFABに加わった。FIFAにIFABが入ったのではなくて、IFABにFIFAが入ったんです。

 英国4協会とFIFAで競技規則を決めましょうということになったんですが、昔はFIFAにも1票の権限しかなかった。各協会も1票ずつ持っていて、計5票。そのうち3票取れば、競技規則を変えましょう。そうでなければ変えませんということでした。

 それが今はFIFAが4票も持っている。英国4協会が各1票持っていて、計8票。このうち6票取れば変わるということになってきているんですよ。FIFAの力が強まっているんです。そういう状況ですが、改正の提案は日本サッカー協会も含め、色々な国ができるんですよ」

 改正の提案はできるといっても、競技規則を変更する権限はJFAに与えられていない。トップレベルの試合はIFABで定められる規則にのっとらなければならない。ただし、ユース年代や年長者、グラスルーツのレベルで行われるサッカーについては、各国サッカー協会で弾力的に変更できることとなっている。

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