主審が選手に報復のキック? 経験豊富な人物の“暴挙”。前代未聞、衝撃的な珍事の顛末

2018年01月19日(Fri)10時39分配信

text by 小川由紀子 photo Getty Images
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フランスのレフェリー史に名を刻んでしまったシャプロン氏

 今回の件も映像を見ると、自分を転倒させた選手の行動を許容できなかった、という彼の心情がみてとれる。

 ジエゴ・カルロスにとってはシャプロン氏のほうが急に寄ってきた形だが、おそらく氏はカルロスの存在に気付かず、転倒した瞬間、急な出来事に気の動転もあってカルロスに押されたと認識したのだろう。

 このあたりの冷静さを欠いていたことや、『足蹴り』で報復しようとしたこと、その後の苦しい言い訳などは非常に大人げない、主審にあるまじき行為だと思う。

 以前の問題行動についても、尊厳を極端に重んじるタイプの人、という印象を受ける。

 ただ実際に個人的に知っている人物ではないから、彼の本当の人間性はわからない。なので、ここでも決めつけるような発言は避けたい。

 いずれにしても、シャプロン氏の名前は、リーグアンのレフェリー史に『前代未聞のタックラー』として記録されることだろう。

 それにこのようなことがある一方で、審判も選手たちから不当な扱いを受けているケースも数多く存在している。

 昨年の12月にも、フランス中部のコレーズ県では、週末のアマチュアリーグの試合が審判の抗議行動により中止になった。カードを提示した審判へ選手から暴行が加えられるなどの出来事が続き、審判たちが改善を求めて立ち上がったのだ。

 と同時に、年長のベテラン審判は経歴=手腕と評価され、自動的にビッグマッチを任されたり発言権も増大しているが、実際のところの采配能力は必ずしもキャリア年数にはよらない、と訴える記事を目にしたこともある。

 人間が人間を捌く以上、感情的になって判断を誤ることも時にはある。そう遠くない未来には、ビデオ判定からさらに一歩進んで、レフェリーがAIロボットにとってかわられるかもしれない。

 その場合でも判定に怒った選手は、ロボットをボコボコにするのかもしれないが……。

(文:小川由紀子【フランス】)

【了】

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