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一瞬を制し組織を破壊するバルサ。CLで「自殺行為」に走る前に…チェルシーが学ぶべきこと

 現地時間24日に行われたリーガエスパニョーラ第25節で、ジローナがバルセロナに敗れた。首位打倒を目指すアウェイチームは、積極果敢な姿勢とリスクを排除する守備を両立しようと試みたが、一瞬の隙も見逃さないバルセロナに大量6得点を奪われて大敗を喫した。同様の布陣を敷くチェルシーは、3月のCL決勝トーナメント1回戦2ndレグに向けて、この一戦から学びを得てプランを組み立てるべきかもしれない。(文:長坂祐樹)

text by 長坂祐樹 photo by Getty Images

セスクが指摘する対バルサ戦における「自殺行為」

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バルセロナをよく知るセスク・ファブレガス(右)【写真:Getty Images】

「カンプ・ノウで守りに入るのは自殺行為だ」

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の1stレグを1-1の引き分けで終えたチェルシーのMFセスク・ファブレガスは、バルセロナで行われる2ndレグに向けてそう語っていた。

 チェルシーはベスト8に向けて敵地でバルセロナから最低1ゴールを奪う必要があり、ある程度のリスクは覚悟しなければならない。

 ここでいうチェルシーなりのリスクの伴う戦い方とは、おそらく高い位置からのプレスやボール奪取を狙いとする守備戦術で、少なくとも1stレグのような自陣深い位置での守備よりも積極的なアプローチを見せることが予想される。

 では、セスクの警告に従うとして、チェルシーがどのような戦い方をモデルとすべきなのだろうか。選手の質やチーム戦術の細かな差はあるが、チェルシーと同じく攻撃時は3-4-3、守備時は5-4-1というシステムを採用するジローナがヒントを示してくれた。

 現地時間24日のリーガエスパニョーラ第25節で、ジローナがアウェイでのバルセロナ戦に挑んだ。ジローナは立ち上がりから積極的にプレスをかける。バルセロナのDFサミュエル・ウンティティのミスもあったが、前半開始早々の3分にはカウンターの流れから先制点を奪うことに成功した。

 これがもしチェルシーなら試合結果を左右する大きな1点となり、その後は1stレグでも手ごたえをつかんだであろう5-4-1の撤退戦術に切り替えていたかもしれない。しかしジローナは当初のプラン通りハイプレスを継続。1トップのアントニー・ロサーノとウイングの片方がバルセロナのセンターバック2人にプレスをかけ、後ろの選手はそれに連動しようと試みた。

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