「レッドブル」2連戦。本番前の貴重な実戦
“擬似ヨーロッパリーグ(EL)”の第2戦に挑むボルシア・ドルトムント。3月3日に行われるブンデスリーガ第25節でRBライプツィヒと対戦する。創設9年目の新興クラブは今季、チャンピオンズリーグ(CL)に初参戦。ベシクタシュJKやFCポルトを相手に健闘したが、曲者ぞろいのグループGを3位で終えた。BVBと同じくELに回ることになったが、ラウンド32はSSCナポリを退けて突破している。
翌週8日にはELのラウンド16、FCレッドブル・ザルツブルク戦を控えているドルトムント。現在進行形でELを戦っているチームとの対戦は、“本番”を見据えれば、貴重な実戦経験となるはずだ。
もちろん26日のFCアウクスブルク戦でパフォーマンスが停滞し、1-1のドローに終わった後では、勝ち点3をもぎ取ることが何より重要となる。現在BVBはブンデスリーガで2位につけているが、6位ライプツィヒとの勝ち点差はわずか“3”。東独の新参者との一戦で負けるようなことがあれば、一気に追い付かれてしまう。
3月1日に行われた会見で、ペーター・シュテーガー監督は「パワフルなフットボール」を強調。
「我々は全員が、敵を圧倒する90分にわたるパワフルなフットボールを望んでいる。今のところ、それを成し遂げられていないが、どんな逆風にも、我々は足並みをそろえて向かっていくよ」
オーストリア人指揮官はライプツィヒのスタイルを警戒。
「彼らはとてもアクティブに、何度も前に進もうとするだろう。両方のチームがこの試合に勝ちたがっている。アウクスブルク戦とは全く異なる闘いになるだろう。スピードと切り替えが求められる場面が多くなる」
ブロックを構築してカウンターを狙うという点では、アウクスブルクと似ているかもしれない。しかし、ライプツィヒが5バックでベタ引きに構えることは考えにくい。なるべく高い位置でボールを奪い、中央を縦に素早くパスをつないで攻め込んでくるはずだ。アウクスブルク戦とは異なり、オープンな試合展開になることが予想される。
もっとも、レッドブル社の新興クラブは、CLやELといったヨーロッパの大会を戦い慣れていないためか、過密日程の中で調子を落としているようだ。ナポリ戦と交互に戦ったフランクフルト戦とケルン戦では、それぞれ先制しながら、その後に2点を奪われて逆転負け。昨季は猛威を振るった「敵を圧倒する90分にわたるパワフルなフットボール」を維持することが難しくなっている。
もちろんケルン戦からは中5日の時間が空いたので、再びコンディションを整えて来る可能性もある。しかし完全なリカバリーは難しいのではないか。さらにライプツィヒも翌週にはELのラウンド16、ゼニト・サンクトペテルブルク戦を控えている。目の前のドルトムント戦に100%の力を注ぐことは難しいだろう。ここでライバルを再び上向かせないためにも、やはり勝ち切っておきたいところだ。