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Jリーグ 6年前

坂井大将、新潟で充実の日々。ベルギーでの苦難乗り越え…ついに見つけた輝ける場所

text by 舩木渉 photo by Getty Images

仲間たちと切磋琢磨。新潟でJ1昇格を誓う

坂井大将
新潟ではプロキャリアで初めてレギュラーポジションを掴んだ坂井大将。周囲からの信頼も厚い【写真:Getty Images for DAZN】

 そうやって仲間を信頼できるのも坂井らしいところだ。新潟にはU-20ワールドカップなどで共に戦った心強い存在、原輝綺もいる。今回は森保ジャパンのメンバーから漏れたが、新潟で2年目のシーズンを迎える背番号34は「ボランチをやるのは1ヶ月ぶりくらいだったから、感覚を取り戻すのにもう少しかかるかも…」と述べつつ、先輩が不在の中でポジション奪取に意欲を燃やす。

「もちろん僕も代表には入りたいし、今回(パラグアイ遠征)はJ1の人たちが主ですけど、そういう中でも入っていきたい。でも僕はチームでやるしかないから落ち込んでいることはない。(坂井とは)仲間ですけどライバルなので、しっかり競争に勝ちたい」

 思えば坂井はこれまでも共に戦った仲間たちと切磋琢磨して自分を高めてきた。ベルギーでは同時期に隣国オランダのフローニンゲンへ移籍した堂安律が支えになっていた。「律とは電話とか会ったりもしていて、いろいろ代表だったり、今の自分の現状だったりを話していた」と坂井は明かす。

 U-20日本代表ではチームキャプテンだったが、不動のレギュラーではなかった。そんな状況でも常にチームにために行動し、苦しい時も先頭に立ってチームを鼓舞してきた。

 プロになって初めてレギュラーの座を掴んだ新潟が、坂井にとって真のブレイクスルーの場となるか。鈴木政一監督の戦術が、世代別代表で指導を受けた内山篤監督のものに似ているのも好材料だろう。この2人の指導者は、いわば“師弟関係”ともいえる間柄で、考え方にも共通点が多い。

 ついにたどり着いた自らが輝ける場所で、充実の日々を送っている坂井は「公式戦の場を踏めているし、今は連続で先発で使ってもらっていて、この緊張感の中で自分のプレーを出せるようになりつつある。もっといい結果、もっと上を見て、結果にこだわりたいなと思います」と、さらなる進化への意欲に満ち溢れている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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